山形のニュース

スマート社会へ 地域を創る新しい力(1)期待しています!

沼沢克己さん
斎藤謙二さん

◎現場の実態に沿って進化を/沼沢克己さん(スイカ生産者)

 尾花沢市のスイカ生産者沼沢克己さん(34)は、プロジェクトのために2年間にわたり90アールのスイカ園地を実証圃場として提供し、栽培にも取り組んだ。スマート農業は次世代農業として期待が高く、将来的に必要になると感じつつ、生産現場だからこそ見えてきた課題もあるようだ。
 例えば、荷物を持ち上げる動作を補助するアシストスーツ。重いスイカの実を抱え上げる生産者の負担軽減に有効だと考えられたが、実際はしゃがんだままの作業が多く、機能を十分発揮できなかったという。また、新たな省力・多収栽培も従来の作業とは勝手が違うため、経験者にとっては慣れるまでに時間が必要だという。
 沼沢さんは「情報通信技術(ICT)を活用する発想はすごくいいが、まだ現実と理想にギャップがある」と指摘する一方、「将来的にスマート農業は必要だ。今回収集したデータを基に、より現場の実態に沿った技術に進化させていければ」と先を見据えた。

◎新規就農者でも操作正確に/斎藤謙二さん(山形県農業総合研究センター研究員)

 プロジェクトのまとめ役として奔走したのが、山形県農業総合研究センター園芸農業研究所の主任専門研究員斎藤謙二さん(47)だ。最先端技術と農業の融合は試行錯誤の連続だったが、「実用化に向けて期待できる技術もあった」と手応えを感じている。
 実証試験の中で、特に将来性を感じたのが自動操舵トラクターの導入だ。衛星利用測位システム(GPS)の基地局を設置した場所から20キロの圏内であれば、誤差0〜20センチほどでの操作が可能だという。斎藤さんは「運転の経験があまりない新規就農者でも正確に作業できるようになる」と期待を寄せる。スイカの出荷予測システムについても、生産者の経験に加え、データを見える化することで、より正確な収穫と、効果的な販売に生かすことができている。
 斎藤さんは「10年、20年後の産地を思いながら、最先端の技術が役立つようにしたい」と力を込める。


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2020年10月04日日曜日


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