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大仙に感謝、大槌・吉里吉里で花火大会 業者に打ち上げの場提供

花火大会の準備を進める今野社長(右)ら=3日午後2時ごろ、岩手県大槌町の吉里吉里漁港防波堤
被災地支援への感謝も込めて開かれた花火大会。色鮮やかに夜空を彩った

 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた岩手県大槌町吉里吉里で3日夜、秋田県大仙市の花火業者を招いた花火大会があった。地域ぐるみで企画し資金を集めた手作りの催し。新型コロナウイルスの影響で閉塞(へいそく)感が漂う地域を元気づけるとともに、被災地支援に尽くしてくれた大仙への感謝の思いを込めた。
 吉里吉里では2014〜18年、復興支援の花火大会が開かれた。防災教育などで震災後に交流が生まれた大仙市の平和中が企画した。生徒や保護者が廃品回収で資金を集め、大仙の花火業者や吉里吉里の住民も協力した。
 「今度は自分たちで花火を上げよう」という声が吉里吉里の住民から出たのは6月だった。コロナ禍で区民運動会や祭りなどさまざまな催しが中止となり、代替行事の可能性を探っていた。大仙の花火業者がイベント自粛で苦境にあるという話も聞こえていた。
 自治会や消防団、婦人会、長寿クラブなどで実行委員会をつくり、地域一丸で花火大会を開くことを決めた。資金集めには9割近い世帯が協力。企業や団体からも予想以上の寄付があり、短期間で目標の100万円を上回ったという。
 打ち上げには大仙市の2社計6人の花火師が携わった。北日本花火興業の今野義和社長は「今年は仕事がほとんどない。その中で吉里吉里の人が資金を集めて花火を打ち上げる場を提供してくれた」と感謝する。
 今野社長は平和中OB。復興花火に当初から関わってきた。「ダンプが走り回っていた更地の被災地が復興し、今度は私たちを呼んでくれる。一方通行の交流ではなかった。感動を覚える」と語る。
 打ち上げは午後7時から約40分間続き、大勢の住民が色鮮やかな光の大輪を楽しんだ。合間には「もっと一緒にいたかったよ」「災害のないまちになりますように」「平和中へ感謝を込めて」などのメッセージが読み上げられた。
 実行委の芳賀光さん(46)は「沈んだ雰囲気を少しでも吹き飛ばしたかった。地域全体の協力で特別な花火大会になった。微々たるものだが、大仙への恩返しになればうれしい」と話した。


2020年10月05日月曜日


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