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石巻・IDFがリチウム電池製造本格化 閉校校舎を活用

IDFが製造するリチウムイオン電池セルなど
旧飯野川二小の校舎を活用したIDF本社=石巻市皿貝

 自動車シートカバーなどを手掛けるIDF(宮城県石巻市)は、新事業のリチウムイオン電池製造を本格化させる。大手には難しい多様なニーズに応じる少量多品種生産で市場の開拓を狙う。閉校後の小学校校舎を活用した工場が、新たな地場産業の拠点として始動した。
 製造するのは、東北大未来科学技術共同研究センター(NICHe)が開発したマンガン系のリチウムイオン電池。コバルトやニッケルを使う三元系と比べて容量は劣るが、発熱しにくい高い安全性と生産コストの低さを特徴とする。
 IDFによると、ハイブリッド車(HV)用で主流の三元系や電子機器用のコバルト系は大手メーカーが手掛けるが、マンガン系は国内で製造されていない。IDFは容量よりも安全性や寿命の長さが求められる太陽光発電の蓄電池、家庭や医療機関向けの非常用電源といった需要を見込む。
 国などの補助で石巻市から購入した旧飯野川二小校舎を工場に改修し、2019年4月に稼働。試作を重ね、今年3月に量産設備が整った。その後、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う面会制限で取引メーカーとの設計開発が滞ったが、8月に一部再開した。
 同月、みやぎ産業振興機構(仙台市)の「ステージアップ支援企業」に認定され、販路開拓などで今後支援を受ける。本年度は2万セルを生産予定。現在16人の従業員を4、5年後に50人規模に拡充し、年間30万セルの生産と売上高25億円を目指す方針だ。
 旧飯野川二小出身でもある佐藤幸太郎社長は「全てがオーダーメードの新製品となるので、時間はかかるが、採用されれば安定的に供給できる。付加価値を高め、地元の若者に新産業を残したい」と意気込む。


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2020年10月06日火曜日


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