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キオクシア北上工場の増設に期待感 完成から1年、受け皿準備進む

10日で完成から1年を迎えるキオクシア北上工場

 半導体大手キオクシアホールディングス(HD、旧東芝メモリホールディングス)の北上工場(岩手県北上市)が10日、完成から1年を迎える。総投資額1兆円の巨大工場では一部区画で出荷が始まり、生産ラインの拡張が続く。米中貿易摩擦の影響を受け、東京証券取引所への上場は延期となったが、地元は2棟目以降の増設に期待し、受け入れ準備を進める。
(北上支局・野仲敏勝)

 「最大4棟の立地は期待するところ。世界市況を注視しながら、事業が順調に進むよう側面支援したい」。北上市の高橋剛(ごう)企業立地課長が力を込める。
 市は2棟目の増設に備え、1棟目の隣接地で工業用地の拡張工事を進めており、21ヘクタールのうち大半の造成を本年度中に終える。
 関連企業の新たな受け皿も準備。市内の工業団地が埋まる中、北上工場から西に約2キロの村崎野地区で33ヘクタールの新工業団地整備事業に着手し、2023年にも一部の分譲を始める。
 キオクシアHDが最大の生産拠点とする三重県四日市市には工場6棟が立ち、関連企業300社が集まる。北上市にはこれまで二十数社が進出。フル稼働に向けた途上にある北上工場の生産能力が高まれば、さらに増えると予想される。
 地元経済界からは「生産拡大に期待したほどのスピード感がない」と不満の声も聞こえるが、高橋敏彦市長は「新型コロナウイルスも大きなブレーキにならず、稼働は順調との印象。世界情勢を見ながら、確実に生産体制を増強するとみている」と信頼を寄せる。
 民間による受け入れ準備も進む。JR北上駅東口では市有地を使った公民連携の手法で、県内5社が50億円を投じ、賃貸マンション、オフィステナント棟、ホテルなどを整備する。
 22年春に開業する予定で、事業会社の北上駅東口都市開発の高橋成見取締役事業開発部長は「着工前からオフィスに半導体関連企業の引き合いが来ている」と手応えを語る。
 北上駅西口では5階建てオフィスビルが1月に完成し、半導体関連企業で既に満室となった。分譲マンション2棟も来春に相次いで完成する予定。賃貸マンションとオフィスの複合施設も建ち始めた。
 市は賃貸物件の不足を解消するため、昨年度からアパートなどの建設に対する補助制度を開始し、民間の投資を後押しする。昨年春はほぼ皆無だった築20年以内の空室が、今年8月には490戸に増加。及川勝裕企画部長は「一定の受け皿はできた」と強調する。


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2020年10月08日木曜日


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