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女川再稼働 立地自治体2議会が避難道整備を要求 巨額事業、実現不透明

 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、宮城県石巻市)の再稼働を巡り、9月に容認した立地自治体の両議会が避難道路の整備を強く求めている。再稼働の意思表明と同様、足並みをそろえて宮城県側に対応を迫った形だが、巨額の事業費が見込まれる上に国の管轄が曖昧なため、実現の先行きは見通せない。
 「工事費は相当大きくなる。県の力ではいつになるかは分からない」
 女川町議会が再稼働を容認した後の9月15日、町議と地元県議、県職員との意見交換会が町内で開かれた。石巻市につながる国道398号について県議の一人は、避難道の整備を再稼働の条件にして国に迫るよう町議らに促した。
 女川町、石巻市両議会の要望箇所は図の通り。
 女川町議会は、昨年10月の台風19号による冠水や土砂崩れで寸断した398号の防災対策強化を要求。三陸沿岸道石巻女川インターチェンジ(IC)と町を結ぶバイパス道路(全長10.8キロ)は残る4.7キロ区間の整備と、398号に抜けるトンネル掘削を求める。
 石巻市議会も今月2日、議長らが村井嘉浩知事に面会し、牡鹿半島を縦断する二つの県道をつなぐ道路新設を要望。一方の県道石巻鮎川線については、半島入り口の狭く曲がりくねった難所2.5キロ区間の解消も訴えた。どちらもトンネル整備が要望の真意だ。
 だが多額の事業費が足かせとなり、実現は困難視される。
 女川町のバイパス道路は2018年に開通した3.4キロ区間の総事業費が134億8400万円に上った。未着工区間はトンネル工事を含めると200億円に迫るとの見方がある。石巻鮎川線も要望箇所付近の2.8キロ区間だけで100億円を超えている。
 県の関係者は「東日本大震災の復興事業があったから整備が進んだ道路も多い。国の復興交付金の廃止が決まった以上、県ができることは限られる」と明かす。
 避難道に対する国の整備主体や予算の見通しも不明確だ。
 石巻市議会が再稼働を巡る審議のため、7月下旬に国の担当者を招いた会合では市議から避難道の充実を求める声が相次いだ。広域避難計画を担う内閣府の職員は「道路予算は国土交通省が持つ」などと一般論に終始し、地元の懸念への回答は示されていない。
 ある市議は「原発政策が国策ならば国が一丸となってやると言えばいい。不信感が拭えない」と憤る。


2020年10月09日金曜日


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