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石巻の浸水防止事業、工期遅れか ポンプ場新設完了延期へ

完成時期が来年度にずれ込んだ不動沢排水ポンプ場=石巻市不動町

 大雨による浸水被害を防ぐ宮城県石巻市の排水ポンプ場の完成が、当初の2020年度から21年度にずれ込む見通しとなった。新型コロナウイルス禍に伴う工事の遅れが一因だが、東日本大震災後の地盤沈下対策として進める下水道幹線の整備が難航。ポンプ場新設を含む事業全体の工期が延びているとの指摘もある。市は増設した仮設ポンプで当面の大雨被害に備える。
 石巻市内は震災の地殻変動で平均約1メートルの地盤沈下が発生。雨水の自然流下が困難になった。復興事業で整備された堤防や防潮堤が雨水をせき止める例も多発し、昨年の台風19号の浸水被害は約1万棟に上った。
 市は14年度に雨水排水基本計画を策定。5年に1度の大雨(1時間雨量45.6ミリ)を想定し、市街地全域約2600ヘクタールで復興事業として11カ所のポンプ場新設や、下水道幹線の整備を進めている。
 ポンプ場は本年度中に全て完成する予定だったが、新型コロナの影響で作業員が不足し、資機材の運搬が滞ったため、完成済みの3カ所と本年度内に完成する1カ所を除く計7カ所が来年度も工事を続ける。
 7カ所の事業進捗(しんちょく)状況をみると、市中心部の不動沢排水ポンプ場が21.5%と最も遅れ、旧北上川河口の石巻中央排水ポンプ場は基礎や建屋の工事が50.5%にとどまる。
 市の下水道事業には震災後、国の復興交付金1534億7000万円が投じられた。単純計算すると、年度ベースで震災前(約4億7000万円)の30倍超の規模に膨らんだ。県内では東松島市や松島町など12市町が復興交付金を活用して下水道を整備中。交付額の合計は2519億1000万円で、石巻市が約6割を占める。
 市によると、下水道幹線整備は面積が広い上、工事の難しい現場も多い。想定外に硬い岩盤に達し、掘削が進まないことが度重なったという。
 このため市は震災後に市内35カ所に設けた仮設ポンプ85基に加え、台風19号後に増やした13基で応急対応に当たる。
 市下水道建設課の斎藤英敏課長は「昨年の被害を繰り返さないように対策を講じ、全ポンプ場の早期完成を目指す」と話す。


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2020年10月11日日曜日


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