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米沢牛のふんで発電 全国初の技術に脚光 山形・飯豊

大型の発酵槽(左)などを備えたバイオガス発電所

 米沢牛のふんから発生させたメタンガスを燃料として発電する「ながめやまバイオガス発電所」が山形県飯豊町に完成し、今月下旬に発電を始める。肉牛のふんを活用した発電施設は、全国で初めて。再生可能エネルギーの利用促進と、ふんによる周囲への悪臭対策を兼ねた先駆的な取り組みとして注目されている。
 発電所は、周囲にある五つの畜産業者の肥育施設からパイプラインで米沢牛などのふんを運び、発酵させて液肥を生成。その過程で発生したバイオガスで発電する。発電規模は500キロワットで、一般世帯約900世帯分の年間約360万キロワットを東北電力に売る計画だ。
 運営するのは、再生可能エネルギー事業を手掛ける企業「東北おひさま発電」(長井市)。水分量が少ない肉牛のふんは、乳牛のふんに比べてガスが発生しにくく、発電への活用が難しいとされてきた。液肥を混ぜることで課題を克服し、発電開始にこぎ着けた。
 米沢牛の約4割を生産する飯豊町では、畜産施設で生じる悪臭の対策を求める声が上がっていた。発電所では臭気対策として、地下パイプラインを活用するほか、東北大未来科学技術共同研究センターと協力し、液肥の臭いを抑える最新装置も導入した。
 発電所は国の補助金を受けて7月に完成し、発酵槽などの試験運転を始めた。今月29日に予定する国内初の発電開始を控え、県内外から多くの自治体関係者や畜産関連業者などが視察に訪れているという。
 東北おひさま発電の新野和彦取締役(67)は「循環型農業の実現につながる発電所は今後、地域の核となる。多くの期待に沿えるよう努めたい」と話す。


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2020年10月11日日曜日


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