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台風19号から1年 被災3県の住宅応急修理637件完了せず

 昨年10月の台風19号で被災した住宅の応急修理制度巡り、岩手、宮城、福島3県で計637件の工事が完了していないことが各県のまとめで分かった。被害が甚大だった福島が604件と大半を占める。業者不足に加え、新型コロナウイルス感染拡大の影響で工期が長引いたケースがある。12日で上陸1年となる巨大台風の爪痕は、今なお癒えていない。
 岩手は1日、宮城は4日、福島は9月7日時点の状況は表の通り。利用は計62市町村であり、全体の9割超に当たる計7379件の工事が完了した。
 申し込みが市町村別で最多(2309件)の福島県いわき市では、289件の工事が終わっていない。平下平窪地区の看護師鈴木由美さん(47)方は床上44センチの浸水で半壊し、現在も2階での生活を強いられている。
 新築時のつてで県内の工務店に修理を頼んだが、大工が確保できず着工したのは1月だった。すぐにコロナ禍で資材の輸入が滞り、4月の緊急事態宣言の全国拡大で工事は中断を余儀なくされた。
 室内を乾かすため、冬も窓は開けっ放し。風呂も炊事も不自由する。工事は再開したが、鈴木さんは「2月完成の契約だったのに…」と疲れを隠せない。
 制度の申し込みが続き、市は受付期限の延長を繰り返し、現在は10月末までとしている。建築指導課は「取りあえず申し込んでから修理箇所を決める人もいる」と説明。全ての工事完了にはもう少し時間がかかる見込みだ。
 被災規模が大きかった同県須賀川市や宮城県丸森町も受け付けを継続する。被災後の体調悪化や高い修理費への懸念も、着工の遅れを招いているという。
 制度に関して内閣府は7月、利用世帯の仮設住宅への条件付き入居を可能にした。これまで認めておらず、劣悪な住環境に苦しむ在宅被災者を生み出す原因となっていた。総務省が3月に見直しを勧告していた。

[応急修理制度]災害救助法に基づき、被災住宅の修理を国が補助する。「半壊」以上は最大59万5000円、国が昨年8月から対象に加えた「準半壊」(損害割合10%以上、20%未満)は最大30万円を支給。屋根や外壁、床といった日常生活に欠かせず緊急性の高い部分に活用できる一方、内装部分には原則使えないなど制限もある。


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2020年10月11日日曜日


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