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宮城、山形から気仙沼への修学旅行増加 コロナで東京を回避

津波の爪痕が残る気仙沼向洋高旧校舎を見学する寒河江市陵西中の生徒=6日

 新型コロナウイルス感染の可能性を考慮して修学旅行の行き先を変更し、宮城県気仙沼市を選択する中学、高校が増えている。近年、東日本大震災の被災地見学に北海道や関東から訪れる学校が多いが、今年の予約は一度、全てキャンセルになった。代わりに東京周辺から行き先を切り替えた山形県や宮城県からの訪問が目立つ。

 6日、寒河江市陵西中(生徒152人)の3年生48人が、気仙沼市波路上の市東日本大震災遺構・伝承館を訪れた。本来は5月、東京ディズニーランドや都内を巡る予定だった。
 生徒たちは真剣な表情で語り部の説明に耳を傾けながら、内部が荒れたままの震災遺構、気仙沼向洋校旧校舎を歩いた。
 3年大沼翠さん(14)は「新型コロナは残念だけど」と前置きしつつ、「今までは津波の現実味がなく、威力を実感した。日常を大切にし、今後の防災に役立てたい」と話した。
 気仙沼観光コンベンション協会によると5〜11月、全国の中高21校計2200人が市内を訪問予定だったが、新型コロナの感染拡大でゼロになった。関東(9校1116人)や北海道(4校345人)からの予約が多かった。
 感染状況が落ち着き始めた8月ごろに再び予約が増え始め、今月6日時点で18校計1168人まで回復した。そのうち山形、宮城が計13校681人に上る。昨年3月にオープンした伝承館や、三陸沿岸道の延伸によるアクセス向上が追い風になったとみられる。気仙沼市でのウイルス感染状況が比較的、落ち着いていることも背景にあるようだ。
 伝承館の佐藤克美館長(52)は「本来は違う所に行くはずだった生徒たちが遺構で何を感じるか不安もあったが、誰もが興味深く見学していく」と手応えを感じている。
 コンベンション協会の臼井亮(まさる)事務局長(47)は「首都圏を中心に受け入れに注力してきたが、足元を見直すきっかけになった。間もなく震災から10年となることもあり、東北の学校への働き掛けを続けたい」と話す。


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2020年10月15日木曜日


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