宮城のニュース

津波で息子2人亡くした男性、慰霊施設で太陽光発電 元住民の交流も復活へ

太陽光発電が始まる慰霊建物「舟要洞場」(左奥)と笹谷さん

 仙台市のNPO法人「きらきら発電・市民共同発電所」が東日本大震災の犠牲者を慰霊する建物で、太陽光発電を始める計画を進めている。津波で息子2人を亡くした男性が、宮城野区蒲生の自宅跡近くに建てた「舟要洞場(しゅうようどうじょう)」の屋根に太陽光パネルを設置し、賃料の代わりに建物に電気を供給する。男性はこれを機会に舟要洞場を元住民たちの交流施設にするという。

 太陽光パネルは48枚を設置し、計10キロワット程度の出力を予定する。発電設備は11月に完成する見通し。余剰電力は東北電力に売却する。来年3月まで寄付を呼び掛け、総工費330万円を工面する。総工費を上回る寄付が集まった場合は、小型風力発電設備を併設する。
 舟要洞場は蒲生地区の元住民で、多賀城市の無職笹谷由夫さん(74)が2013年に建設した。津波の犠牲になった長男舟一さん=当時(20)=、次男要司さん=同(19)=の名前から1文字ずつ取った愛息を供養するための場所だった。
 県が七北田川河口から蒲生干潟にかけて進める防潮堤の建設で、自宅跡が予定地となり、19年秋に約500メートル北側に移設した。笹谷さんは毎日通い、2人の冥福を祈っているという。
 建物は、代表を務める元住民のグループ「蒲生のまちづくりを考える会」の会合にも使う。太陽光発電で電気代の自己負担がなくなるため、今後は元住民が気軽に集まれる施設として、幅広く利用してもらう。
 笹谷さんは「大部分が災害危険区域となった蒲生地区は、区画整理が進んで昔の面影がなくなり、元住民は立ち寄りづらくなっている。舟要洞場から交流を取り戻したい」と期待する。
 NPO法人の広幡文事務局長は「心の復興を目指す人に寄り添いたいと思い、被災地での太陽光発電に取り組むことを決めた。市民の皆さんにぜひ協力してもらいたい」と呼び掛ける。
 寄付金は直接、NPO法人の口座に振り込む。連絡先は広幡さん070(2010)3777。


2020年10月17日土曜日


先頭に戻る