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昼休みの勾当台公園、まるで喫煙所 灰皿に愛煙家集中 仙台

勾当台公園で、たばこをふかす人々。野外の一服でも、受動喫煙の被害者がいる

 仙台市民の憩いの場、勾当台公園(青葉区)に昼休み、喫煙者が続々と集まる。多いときには100人近く。屋外なのに、たばこの煙と臭いが充満する。改正健康増進法が今年4月に全面施行され、紫煙をくゆらす場所を失った「喫煙所難民」が街頭の灰皿を求めて漂着した格好。望まない受動喫煙を防ぐ規制が皮肉な結果を招いている。

 公園にある灰皿は地図の通り、野外音楽堂と谷風像、仙台合同庁舎側の木陰付近の3カ所。平日の正午〜午後1時がピークで、会社員風の愛煙家たちが大挙押し寄せる。
 一服していた50代公務員男性は「庁舎内と敷地内は全面禁煙。飲食店でも吸えない」と嘆く。「臭いや煙に配慮し、電子たばこを吸っている」と理解を求めた。
 喫煙者が多いエリアは歩道に近い。臭いを嫌い、わざわざ車道を渡って反対側を通行する人もいる。公園近くに住む女性は「煙を吸うと吐き気や目まい、頭痛が出る。どこに相談すればいいのかずっと悩んでいる」と困り果てた様子だ。
 青葉区役所の公園課によると、灰皿の設置は喫煙スペースというより、ポイ捨て防止の意味合いが強いという。同課は喫煙を控えるよう求める掲示物を今月6日、約10カ所に増やした。
 灰皿があるのに、たばこを吸うな、というちぐはぐな対応に映る。同課の担当者は「啓発だけでは改善しない。市民に楽しく公園を使ってもらうため、市健康政策課と対策を検討したい」と話す。
 日本禁煙学会によると、屋外で無風状態で1人が喫煙した場合、煙の到達距離は半径7メートルに達する。県や仙台市の受動喫煙防止ガイドラインでは「公園は子どもの利用が想定される公共機関。受動喫煙防止の配慮が必要」としている。
 NPO法人禁煙みやぎ理事長の山本蒔子医師は「灰皿があれば、喫煙者は吸っていいと理解してしまう。まずは撤去すべきだ。公園で吸ってはいけないと、はっきり示す必要がある」と話す。
 2016年度の国民生活基礎調査によると、県の喫煙率は21.1%で全国9位の高さ。男女別では男性33.4%(10位)、女性9.9%(11位)。県は22年度末までに12%(男性20%、女性6%)に下げる目標を掲げている。

[改正健康増進法]受動喫煙対策の強化を目的に2020年4月1日から飲食店や職場、ホテルなど不特定多数の人が利用する施設が原則屋内禁煙となった。病院や学校、行政機関といった施設は、19年7月1日から原則敷地内禁煙となっていた。50万円以下の過料などの罰則がある。


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2020年10月18日日曜日


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