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飛び込みプール廃止方針に衝撃広がる 米沢市表明 関係者「東北全体の損失」

米沢市が廃止方針を明らかにした高さ10メートルの飛び込み台を備えたプール

 山形県米沢市が市営プール内にある水泳競技の飛び込み用プールを廃止する方針を示し、市内の競技団体や東北の関係者に衝撃が広がっている。利用が少ない割に費用がかさむため、削減計画の対象になった。山形県内唯一の施設として選手育成や大会開催に貢献してきただけに、関係者は「廃止されれば、東北全体の飛び込み競技にとっても損失は大きい」と存続を訴える。

 市は市議会9月定例会で、市内の野球場、弓道場各1施設とともに、飛び込み用プールの廃止方針を明らかにした。2017年に策定した公共施設の床面積を約20%減らす総合計画の一環で、市民や競技団体から意見集約を進め、廃止時期など具体案を検討する。
 市によると、昨シーズン(昨年6月下旬〜8月末)の利用者は約400人、維持経費は光熱費や水道代など約400万円だった。市の担当者は「他施設と比べて維持経費に対する利用者数が少なく、廃止候補になった。関係団体に説明し、理解を得たい」と話す。
 廃止による大きな影響を受けるのは、施設を練習拠点とし小中学生、高校生計9人が所属する市内の米沢ダイビングクラブ(DC)だ。所属選手は毎年、国体や全国高校総体(インターハイ)で上位入賞を果たしてきた実績がある。
 米沢DCの藤原浩代表(52)は「競技者も指導者もいて、施設も問題なく使えるのに突然、廃止を伝えられて驚いた。『マイナーだから』と施設をなくせば、子どもたちが競技を選べる環境がなくなる」と不安を漏らす。
 飛び込み用プールは1992年に県内で開催された「べにばな国体」に合わせて整備された。東北では青森を除く各県に一つずつしか専用のプールがなく、近年も東北高校総体やジュニア五輪カップ東北予選会の会場となっている。
 東北水泳連合の飛び込み委員長小笠原大輔さん(49)=盛岡市=は「大会開催や合宿などで貴重な存在だ。施設を失えば、東北での競技水準が低下しかねない」と先行きを懸念する。
 福島県会津若松市で飛び込みの指導者を務める稲生恭子さん(53)も「同じ福島県の郡山より近い米沢のプールを利用してきた。施設の役割や価値を多面的に捉えてほしい」と願う。


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2020年10月19日月曜日


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