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「はやぶさ2」カプセル回収事業の観測に協力 宮城・古川黎明高の生徒ら、独自の技術や機材提供

自然科学部の仲間とともに、カメラなどの機材を確認する三野さん(左から2人目)と斎藤教諭(右端)=古川黎明高

 宮城県大崎市の古川黎明高の生徒らが、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が探査機「はやぶさ2」を使って採取した小惑星りゅうぐうの岩石試料入りカプセルを、オーストラリアで回収する事業の観測に協力する。同校自然科学部が全国的に珍しい手法で流星を観測してきたノウハウと撮影機材を提供。JAXAの職員が12月6日、カプセルが流星のように落下する様子を現地で観測する。

 協力するのは自然科学部天文班リーダーの3年三野(みの)正太郎さん(18)と顧問の斎藤弘一郎教諭(47)の2人のチーム。今月中旬、静止画、動画用のカメラ計3台と光の波長を測定する機器、観測マニュアルをJAXAに送付。職員らはカプセルの落下予定地近くに機材を構え、金星ほどの明るさで発光しながら落下する様子を撮る。
 斎藤教諭は「光の波長を分析し、大気圏突入時の速度や表面温度の変化などを調べる。カプセルの安全性をより高める研究などに役立ててもらう」と説明する。
 天文班は2014年以降、夜空に飛び交うペルセウス座流星群などを撮影して、発光に由来する元素の種類を調べてきた。光を波長ごとに分ける機材を手作りしてカメラに装着するが、撮影は難しいため1万枚当たり1枚程度しか十分な画像データが得られず、国内で取り組む研究者は少ないという。
 昨年12月、JAXAがカプセル回収に関する観測テーマを公募。これまで天文班が培った技術を踏まえ、今年2月に相模原市で開かれた最終選考会で三野さんが案を発表し、高校チームとして唯一、採用された。他に選ばれた大学や科学館の研究者ら6団体とともに、JAXAと共同研究の契約を結んだ。
 三野さんと斎藤教諭は当初、現地で自ら観測する予定だったが、新型コロナウイルス問題に伴ってオーストラリアの入国制限が強化されたため、代理で観測してもらうことになった。
 三野さんは「一時は観測自体ができないのではと心配した。どんな結果が得られるか楽しみ」と期待する。

[メモ]探査機「はやぶさ2」が地球の上空22万キロまで接近して岩石試料が入ったカプセルを分離。カプセルは秒速12キロで大気圏に突入し、地表に近づくとパラシュートを出してオーストラリア南部の砂漠に着地する予定。はやぶさ2は、残りの燃料で次の小惑星を目指す。


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2020年10月20日火曜日


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