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原子力災害伝承館開館1ヵ月 資料選定の議事録まだ非公表

教訓を伝える東日本大震災・原子力災害伝承館=双葉町

 東京電力福島第1原発事故の教訓を後世に伝える福島県の東日本大震災・原子力災害伝承館(双葉町)は、20日で開館から1カ月になった。具体的な展示内容を決めるため県が設置した有識者会議の議事録はいまだに非公表で、これまでの「開館後速やかに公表する」との説明と食い違う。
 伝承館の「資料選定検討委員会」は2018年10月〜20年7月、非公開で計6回開かれた。県生涯学習課は議事録の公表は「開館作業に支障が出ないようにするため」として、20年9月の開館後に実施すると説明してきた。
 だが開館から1カ月、第1回会合から数えて丸2年を経ても議事録は非公表のままだ。同課は「展示資料の提供者の名前など(公開に適さない)個人情報を確認している」と釈明する。
 伝承館関連で、県が設置した有識者会議は他に二つある。「アーカイブ拠点施設有識者会議」(15年4〜8月)が施設の機能や内容を検討し、「アーカイブ拠点施設基本構想策定に係る検討会議」(16年6〜12月)は施設の基本構想を策定した。いずれも議事録は公表済みだ。
 資料選定検討委を巡る県の消極姿勢は、開館後に整備された伝承館のウェブサイトでもうかがえる。「施設沿革」のページで他の二つの会議は開催時期や議論内容を明示しているが、資料選定検討委は記述が一切ない。
 伝承館は県が17年以降に収集した資料24万点のうち170点を展示する。原発事故後の10年間を概括している一方、「事故の過酷さを示す資料が少ない」(伝承館関係者)との意見もあり、検討委でやりとりされた議論に対する県内外の関心は高い。
 県は双葉町が求めた「原子力PR看板」の実物展示を見送る判断をしたが、検討委で議題に上ったかどうかも注目される。県生涯学習課は議事録について「内容を精査している」と繰り返し、公開時期のめども示していない。


2020年10月21日水曜日


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