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親サケ蓄養、種卵確保へ 南三陸で初試験

ふ化場の水槽で蓄養されるサケ

 サケの人工ふ化放流事業で使う種卵の確保に向け、志津川湾水系さけます増殖協会(南三陸町)は22日、海で取った親サケ「海産親魚」を蓄養して採卵する試験を始めた。津波でふ化場が被災するなどした影響で、東日本震災後はサケの漁獲量の低迷が続いている。今年も漁獲不振で採卵数が少ないと見込まれ、苦肉の策として初めて実施する。
 協会職員らが、南三陸町の伊里前漁港に水揚げされた雌約30匹を同町の水尻ふ化場に運び、淡水の水槽に入れた。順調に成熟すれば1匹から約2000個の卵が取り出せるという。
 今年のサケ漁は不振を極めている。町地方卸売市場への水揚げ量は21日時点で約41トンにとどまり、記録的不漁だった昨年同時期の2割にすぎない。河川への遡上(そじょう)も低調だという。
 河川のサケの種卵不足を補うため、協会は2015年、海産親魚の採卵を開始。例年は11月末〜12月末に行っていたが、昨年はこの時期に取れるサケが少なく、種卵が目標数を大きく下回った。今年は海産親魚を早めに取り、蓄養する方法も試すことにした。
 協会の佐々木孝男会長は「試験がうまくいけば、早期の種卵確保につながる」と期待する。


2020年10月23日金曜日


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