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福島第1処理水 政府、月内の方針決定見送りへ 風評対策具体化に時間

福島第1原発

 東京電力福島第1原発構内でたまり続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方針について、政府は今月中の決定を見送る方針を決めた。複数の政府関係者が23日、明らかにした。閣僚会議で決める構えだったが、風評被害対策の具体化、調整に時間を要すると判断したとみられる。
 梶山弘志経済産業相は閣議後記者会見で「具体的な決定のタイミングをお伝えできる段階にはない。丁寧に事を運びたい」と語った。方針を決める閣僚会議が27日にも開かれるとの見方があったことに関し「27日に政府方針の決定はしない」と否定した。
 会見に先立ち、政府は関係省庁の副大臣会合を首相官邸で開いた。梶山氏は風評被害対策の具体化を検討するよう各省庁に要請した。出席者からは、処理水の着実な処分や海洋放出時の風評被害対策の徹底を重視する意見があった。
 今後、議論を深め方針決定に向けて検討を続けることを確認。各省庁の状況を踏まえ、閣僚会議の日程を調整する。
 処理水の保管タンクは2022年9月に満杯となり、放出準備には約2年かかる。梶山氏は会見で「ある時期には決めなければならないという制約も意識して進める」と述べた。
 政府は4月以降、地元自治体や業界団体を対象に計7回の意見聴取会を開催。29団体43人から意見を聞いた。4〜7月には書面による意見公募も実施した。
 書面で寄せられた意見は計4011件。重複を含め「処理水は人体に有害」など安全性を懸念する内容が約2700件、「結論ありきの議論」と合意プロセスを疑問視する意見が約1400件だった。
 「福島の復興が停滞する」など、風評への懸念は約1000件。「海洋放出をするならば、正確で分かりやすい情報発信が必要」と指摘する意見もあった。


2020年10月24日土曜日


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