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菅首相、初の所信表明演説 復興決意も処理水は触れず

菅義偉首相

 菅義偉首相は26日の所信表明演説で、「福島の復興なくして、東北の復興なし」と東日本大震災からの再生への決意を改めて表明した。東京電力福島第1原発の放射性物質トリチウムを含む処理水の処分には一切触れなかった。東北の与野党議員の受け止めは評価と批判が交錯した。
 首相は先月訪ねた福島県広野町のふたば未来学園中高を取り上げ、「生徒の皆さんから復興に寄せる熱意、風評被害と闘う取り組みを聞く中で未来を切り開き、世界に羽ばたく若者たちが育ちつつあるとの思いを強くした」と述べた。
 原発事故に伴う帰還困難区域に関し「たとえ長い年月を要するとしても、全ての区域の避難指示を解除する決意は揺るがない」と強調。「被災者の心に寄り添いながら一層のスピード感を持って復興、再生に取り組む」と意欲を示した。
 新型コロナウイルス対応やデジタル社会の実現など9項目を掲げた演説の柱で、7番目に据えた震災復興は220字余りだった。
 自民党の吉野正芳元復興相(衆院福島5区)は「避難指示解除の言葉が入り、原発被災地を理解しているとの印象だ。処理水は政府がきちんと判断すると思っており、あえて言わなかったと理解した」と話した。
 立憲民主党の岡本章子氏(衆院比例東北)は内閣の基本方針から震災、原発事故の記述が消えた経緯を踏まえ、「散々たたかれたにもかかわらず、全く中身がなくてがっかりだ。震災に言及したというアリバイづくりのためだけの演説だ」と厳しく指摘した。


2020年10月27日火曜日


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