宮城のニュース

仙台PS差し止め認めず 環境汚染「顕著でない」 仙台地裁判決

判決を受け、垂れ幕を掲げる原告=28日午前11時5分ごろ、仙台市青葉区の仙台地裁前

 仙台市宮城野区の石炭火力発電所「仙台パワーステーション(PS)」(出力11万2000キロワット)の排出ガスにより健康被害が生じる恐れがあるなどとして、周辺住民ら124人が運転の差し止めを求めた訴訟の判決で、仙台地裁は28日、環境汚染の程度が「特別に顕著と認められない」として住民側の請求を棄却した。
 中島基至裁判長は、運転に伴う大気汚染物質の実測値が「現時点で環境基準や大気汚染防止法などが規定する排出基準を下回り、運転前と比較しても通常の変動の範囲内で推移している」と指摘。環境汚染が住民の平穏生活圏を違法に侵害するとは認められないと結論付けた。
 PSの地域への情報公開に対する姿勢を「環境情報の公表や発電所の公開を積極的に推し進めていない」とし、周辺自治体と結ぶ公害防止協定に違反すると認定した。住民側が証拠提出した健康被害に関する論文については、信用性を否定した。
 PSに対し「最善の公害防止対策を実施し、良好な環境保全に尽くすなど住民の不安解消に努める社会的義務を負う」と付言した。
 判決によると、PSは関西電力グループと伊藤忠エネクスの各子会社の共同出資で設立され、2017年10月に営業運転を開始。1日当たり約900トンの石炭を消費し、微小粒子状物質(PM2.5)やばいじんなどを排出している。
 原告側は今後、控訴するかどうか検討する。仙台PSは「引き続き環境保全に万全を期し、安全を最優先に運営に努める」とのコメントを出した。


関連ページ: 宮城 社会

2020年10月29日木曜日


先頭に戻る