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仙台市有施設の浸水被害防げ 電気設備を地上に移設 備蓄食料は民間倉庫に集約

地下の電気設備を移設するため、基礎工事が進む宮城野区役所
移転・集約された民間倉庫で保管される災害時の備蓄食料(仙台市提供)

 仙台市は昨年10月の台風19号で宮城野区役所や備蓄拠点が浸水し、市民サービスや防災に影響が生じた反省を踏まえ、再発防止に取り組んでいる。電気設備が水没した宮城野区役所は庁舎の雨水対策を見直し、食料2万食が水浸しになった備蓄拠点は、浸水想定区域外に移転・集約した。担当者は「二度と同じ被害は起こさない」と強調する。
 宮城野区役所は昨年10月12日夜、大量の雨水が国道45号側から地下駐車場の出入り口を通じて流れ込み、電気設備があった地下2階の天井まで水没。13日未明に全館停電に陥った。大型発電機を稼働させたが、エレベーターや住民票の自動交付機が一時使えなかった。
 このため、新たな雨水対策は地下駐車場の出入り口にある止水板を交換。高さ1.5メートルと被災前より15センチ高くし、水密性の大きいアルミ合金製に変えた。近くには集水升も設置し、雨水を隣接の区文化センター側に排水するようにした。
 電気設備は地下2階から庁舎外の地上に移設し、水没を回避する。周囲が冠水しても影響が出ないように、約1メートルの架台の上に設置する。現在、4億3900万円をかけて工事中で、来年1月に完了するという。
 区総務課の門馬正樹課長は「雨水対策を強化し、重要機器は地上に移す。前回と同規模の水害には耐えられるようになる」と話す。
 備蓄拠点は、宮城野区日の出町3丁目の市有倉庫が30〜50センチ浸水。床に積み上げてあった段ボール箱約600個が水浸しになった。箱の中の災害時食料など約2万食が使えなくなり、市八木山動物公園(太白区)の動物たちの餌になった。
 日の出町3丁目は浸水想定区域内にあり、市の水害ハザードマップは河川氾濫時、0.5〜3.0メートル未満の浸水を予想する。備蓄品が被災する可能性を知りながら、高い位置に保管するなどの対策を取らず、危機管理の甘さを指摘された。
 市は今年2月、日の出町の備蓄拠点を若林区卸町東の民間倉庫に移転、集約した。卸町東は浸水想定区域外にある。もう1カ所の備蓄拠点、太白区富田の旧浄水場事務所も浸水想定区域内だが、食料は置かない。
 市防災計画課の田脇正一課長は「浸水想定を十分検討し、卸町東の倉庫への集約を決めた。今後、備蓄食料が水浸しになるような恐れはない」と語った。


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2020年11月02日月曜日


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