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セシウム基準値超すキノコや山菜、ネットで流通 厚労省が対策本格化

ネットで取引され、基準超の放射性物質が検出された茨城県産キノコ(ふくしま30年プロジェクト提供)

 放射性物質セシウム濃度が国の基準値(1キログラム当たり100ベクレル)を超える山菜の取引がネットで横行している問題で、厚生労働省は個人間の違法な売買を防ぐための本格対策に乗り出す。既にサイト運営事業者に注意喚起の徹底を要請し、今後はネットで取引される農産物の検査も行う。
 国内のサイト運営事業者8社に対し、(1)国が出荷を制限している地域の野生農産物を出品しない(2)100ベクレル超が検出された際は保健所の調査に協力する−の2点をサイト利用者に注意喚起するよう求めた。要請は10月16日に行った。
 要請に基づいた対応を取り始めた事業者もある。オークションサイト「ヤフオク!」は22日から、ホームページ上で「出荷制限対象地域の農産物の出品はお控えください」などと利用者に呼び掛けている。
 ネットによる個人売買は食品衛生法の監視の目が届きにくい。このため厚労省は来年度からネットで流通している山菜やキノコを仕入れ、抜き打ち的に放射性物質濃度の検査を行う。
 同省食品監視安全課の担当者は「基準値超の野生農産物がいくつも確認される地域は出荷制限を指示することになる」と語る。
 基準値超の山菜がネットで流通する実態は、NPO法人「ふくしま30年プロジェクト」(福島市)の調査で初めて浮き彫りになった。
 法人が3〜6月にサイトで購入したコシアブラ22検体をゲルマニウム半導体検出器で調べたところ山形、群馬、長野3県の6検体が101〜389ベクレルだった。9月以降に調べている天然キノコも岩手、山形など5県の12検体で基準値を超え、福島市保健所に通報した。
 法人の阿部浩美副理事長は「厚労省が対策に乗り出したのは一歩前進」と評価した上で「抜き打ち検査では限界がある。例えばサイト運営事業者も出荷制限地域の農産物を自動削除できるシステム開発を進めるなど、基準超が流通しない仕組み作りに取り組んでほしい」と話す。


2020年10月27日火曜日


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