宮城のニュース

「秘湯」12年越しの再開 栗原・佐藤旅館、日帰り入浴営業開始へ

佐藤旅館の大浴場を清掃する花山サンゼットの阿部社長=10月19日、栗原市花山

 2008年の岩手・宮城内陸地震で被災した宮城県栗原市花山の温湯(ぬるゆ)温泉佐藤旅館が12日、12年ぶりに日帰り入浴の営業を再開する。旅館の運営業務を受託した地元の太陽光発電施設管理会社「花山サンゼット」が館内を改修し、復活にこぎ着けた。来年4月以降に観光客らの宿泊を受け入れ、全面再開を目指す。
 佐藤旅館は一迫川沿いにたたずむ秘湯の一軒宿として人気を集めた。内陸地震で源泉が枯渇し、レトロ感漂う木造の旧館は解体を余儀なくされた。補修工事を終えた翌年の11年に東日本大震災が発生。湯量や資金面の不安もあり再開のめどが立たない状況が続いた。
 18年に花山サンゼットが再建に乗り出し、業務委託を受ける契約を佐藤旅館と結んだ。電気配線や玄関の補修などを進め、今年6月に旅館業の営業許可を取得した。
 佐藤旅館の佐藤研一社長は12年越しの再開について「感無量。関係者の努力がなければ不可能だった。ここまで頑張ってくれたことに感謝したい」と喜ぶ。
 大浴場は男女別の内湯の岩風呂。栗原市が確保した源泉から供給を受け、掛け流しの湯を楽しめる。内装に手を加えず、昔の風情をそのまま残した。
 観光客らの宿泊再開に向けて準備も進める。2階建てで客室は11あり、6月末から約4カ月間、地熱調査会社関係者の滞在を受け入れ、花山サンゼット従業員が旅館業の経験を積んだ。
 ただ、新型コロナウイルス感染の収束は見通せず、観光客へのサービス、料理提供などの準備に時間を要することから、宿泊受け入れは来年4月以降とした。
 花山サンゼットの阿部幹司社長は「佐藤旅館は栗原の宝。震災前の宿を知る方の話や若い人たちのニーズを聞き、みんなに愛される旅館にしていきたい」と完全復活に意欲を見せる。
 日帰り入浴は午前10時〜午後7時39分。木曜定休。料金は大人500円で、18歳以下は来年3月末まで無料。連絡先は佐藤旅館0228(56)2251。


関連ページ: 宮城 社会

2020年11月03日火曜日


先頭に戻る