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仙台市バスの動物ステッカー、これ何? 消えた2匹の行方は…

市バスの前部に張られた動物ステッカー=仙台市青葉区の市交通局木町通駐車場
【図1】営業所と動物ステッカーの位置関係(仙台市交通局提供)
【図2】ステッカー掲示が始まった1981年当時の位置関係。ネズミとウマもあった(仙台市交通局提供)

 仙台市バスの車体をよく見ると、前部と後部にイヌなどの動物の顔をあしらったステッカーが付いている。「どんな意味?」 。疑問に思いながらも乗車した瞬間に忘れてしまう「無限ループ」を繰り返してきた長年の謎。当局に尋ねると意外な事実が判明した。

 「ずいぶんとマニアックな取材ですね」と言わんばかりの表情で迎えてくれたのは、仙台市交通局自動車部整備課の今野幸男課長。表情とは裏腹にカラーの図入り資料まで用意してくれた。
 「現在、動物は5種類あります」。イヌ、ニワトリ、ヒツジ、ウサギのほか、想像上の動物、竜のイラストがあった。「竜、と来てお分かりかもしれませんが、動物は干支を意味します」
 動物ステッカーの意味、それは「干支」だった。でも、干支なら毎年変わるはず。毎年、付け替えているのか。「いえ、干支はつまり、方角を示しているんですよ」
 風水で「丑寅(うしとら)は鬼門」などと言うように、十二支は北から時計周りに子(ね)、丑(うし)、寅(とら)−と方角を示す。仙台市役所本庁舎を基点に、路線バスが所属する各営業所の方角に干支の動物を当てはめ、西北西がイヌ、西がトリ(ニワトリ)、南南西がヒツジ─と定めたという(【図1】)。
 ところで冒頭、「現在は」と今野課長が話したのには理由があった。「バス需要の減少で営業所が統廃合されたんです」
 かつてはネズミ(北)とウマ(南)もいたそうだ(【図2】)。この2匹(頭)が消えたのは1994年。市地下鉄南北線の開通(1987年)や自家用車の利用が増えた影響で、市バスの営業所と路線の統廃合が行われた。その後も東西線の開通(2015年)などで市バスの利用客は減少傾向にある。残る動物たちも内心は穏やかでないかもしれない。
 それにしても、なぜ動物ステッカーなんだろう。車体の窓ガラスには営業所の頭文字を丸で囲んだ文字ステッカーがあり、職員は動物に頼ることなく識別している。市民向けの積極的なPRもないようだ。
 古い資料や年配の職員らにも当たったが「残念ながら分かりませんでした」と今野課長。「動物ステッカーの掲示開始は1981年。絵心がある当時の交通局職員がデザインした」というところで調査は終了した。
 せっかくなので、動物ステッカーの活用策を考えてみた。「スマホで全5種類の画像を集めたら一日乗車券がもらえる」「幻の干支、ネコのステッカーを張った車両を1台用意し、見つけた人に豪華景品を進呈」…。
 利用増につながる(かもしれない)アイデアは泉のように湧いてくる。交通局さん、ぜひ検討をお願いします。
(デジタル推進室)

[動物ステッカーが示す営業所]ウサギ=東仙台営業所、竜=霞の目営業所、ヒツジ=長町営業所、ニワトリ=川内営業所・白沢出張所、イヌ=実沢営業所・七北田出張所


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2020年11月07日土曜日


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