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女川原発再稼働 市町村長会議で賛否 「県民に新たな不安」「地元議会が熟慮し決断」

女川原発2号機の再稼働について賛否両論が出た宮城県市町村長会議

 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働の前提となる「地元同意」を巡り、宮城県は9日、全首長の意見を聴く市町村長会議を仙台市内で開いた。首長の発言は賛否に加え、広域避難計画の実効性や東京電力福島第1原発事故の影響といった課題に及んだ。予定の倍となる約2時間の議論は、村井嘉浩知事と立地2市町長の判断に委ねるという「総意」を示した。

 市町村長35人の半数を超える20人がマイクを握った。相沢清一美里町長は「県民に新たな不安を背負わせる」と再稼働への反対を鮮明にした。「民意をないがしろにするのは地方自治の否定だ」として、同意手続きを着々と進める村井知事にくぎを刺した。
 重大事故時に原発30キロ圏の約20万人が県内31市町村に避難する計画の熟度を疑問視したのは、猪股洋文加美町長。石巻市から避難者を受け入れる想定を引き合いに、「図上訓練すらしていない。(県は)実効性を確保する努力をすべきだった」と批判した。
 避難計画で石巻、東松島両市から最大7万人を受け入れる仙台市。郡和子市長は「全ての市町村が統一した形での体制を作るべきだ」と注文した。
 原発事故から間もなく9年8カ月。今なお残る爪痕を踏まえ、懸念を示す首長も複数いた。
 山田周伸亘理町長は、福島第1原発と女川原発からの距離が共に約70キロと説明し、「放射性物質のモニタリング態勢はどうなっているのか」とただした。大沼克巳村田町長は、原発事故による農産物の風評被害について「今後絶対に起こしてはならない」と安全性確保の不断の努力を求めた。
 女川町、石巻市の各議会と県議会が再稼働容認の意思表示した事実を尊重する市町村長も少なくなかった。斎清志大河原町長は「女川、石巻の議会が地域の将来を見据え、熟慮の上で下した決断」と理解を示した。
 保科郷雄丸森町長は、原発事故の被害対応について県の姿勢を質問したが、立地2市町の判断に思いを寄せた。終了後、「町内に事故で発生した放射性廃棄物がいまだに置かれ、不安もある」と心情を明かした。
 発言しなかった首長も難しい判断を迫られた。伊藤康志大崎市長は「立地自治体の意思を受け止めたが、不安や疑問も残る。県が国や東北電にしっかり申し入れることが重要だ」と指摘した。


2020年11月10日火曜日


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