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バイデン氏の振る舞い被災者忘れず 震災後に宮城訪問、仮設住宅で交流

東日本大震災の被災者らが見守る中、仙台空港内の会見場で演説する副大統領時代のバイデン氏=2011年8月23日

 米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領(77)。2011年には東日本大震災の津波で甚大な被害を受けた宮城県名取市を訪れ、被災者を激励している。当時を知る人は感謝を忘れず、就任後のかじ取りに期待を寄せる。
 バイデン氏は副大統領時代の11年8月に名取市の美田園第2仮設住宅団地を訪問。同団地で自治会長を務めていた高橋茂信さん(77)=名取市美田園北=は、バイデン氏と集会所で懇談した。
 沿岸部の北釜地区で津波に襲われ、集会所の屋根の上で難を逃れた体験などを語ると、バイデン氏は交通事故で妻子を亡くした経験を打ち明けたという。高橋さんは「同じ境遇だから、真剣に話を聞いていた」と思い起こす。
 高橋さんによると、バイデン氏は「(米軍による復興支援活動の)『トモダチ作戦』で来た」と説明。その上で、「他の国々が困難に直面したとき、日本が何度となく手を差し伸べてきたように、米国民も日本を支援したことを誇りに思う。あなたたちに一生懸命に尽くす。心配しないで元気で震災を乗り越えてください」と述べた。
 高橋さんには忘れられない光景がある。懇談を終えたバイデン氏が集会所を出た後、急に駆け出し、集まっていた大勢の仮設入居者らと握手して回った。予定外とみられるバイデン氏の温かい行動を目の当たりにして、高橋さんは「これが本当のトモダチ作戦なのかな」と心を打たれた。
 大統領就任により「世界の国々は平和になるだろう」と期待する高橋さん。平穏な暮らしを取り戻しつつある中、「今、こうしていられるのも米国の支援があればこそ。バイデンさんに感謝を伝えたい」と力を込める。
 バイデン氏は同じ日、米軍が復旧支援に当たった仙台空港で演説も行った。日米同盟の深化を強調し、「次の作戦は日本の復興を支えることだ」と、継続的に支援する考えを表明した。
 面会した村井嘉浩宮城県知事は「短い時間だったが、被災地に心を寄せていることがよく分かった」と振り返る。


2020年11月10日火曜日


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