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<島田さんの歌を待ってるずっと待ってる−> 95歳の投稿者に読者から届いたエール

島田さんへの思いを詠んだ投稿はがき

 <島田さんの歌を待ってるずっと待ってるみんな待ってるあの歌待ってる>。河北歌壇に「島田さん」を詠んだ投稿が相次いでいる。宮城県山元町の島田啓三郎さん(95)。歌壇の歴史の中で彼ほど慕われている常連はいないかもしれない。先の歌を見た方から「涙が出てきた。みんなやっぱり待っているんだと」と手紙も届いた。
 戦争、東日本大震災、愛妻…。大津波で家と畑を失ったが、認知症の妻を介護しながら投稿を続けた。<生きねばと仮設の隣り荒地借り季節後れの野菜種まく>。慈愛と郷土愛に満ち、時にユーモアも交えながら、困難の中で生き抜く覚悟を示した歌は、読者の共感を呼び、励ましにもなった。
 島田さんは昨年12月、一時入院して以来投稿していない。家族によると、目と耳が不自由で、酸素吸入をしながら横になってラジオを聴く日々だ。先に逝った妻恋しさに「早く迎えに来ないのか」とぼやき、故淡谷のり子さん(青森市出身)の歌を聴き「泣けてくる」と話すことも。
 来年3月で大震災から10年。島田さんほどその時の歌壇を飾るにふさわしい人はいないだろう。
 みんなが島田さんを待っている。
(生活文化部・宮田建)


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2020年11月12日木曜日


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