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宮城県美術館移転断念 知事表明、増築せず改修 建物の価値に配慮

改修による存続が決まった宮城県美術館=16日、仙台市青葉区川内元支倉
定例記者会見で県美術館の移転断念を表明する村井知事=16日正午ごろ、県庁

 宮城県美術館(仙台市青葉区)を仙台医療センター跡地(宮城野区)に移転する構想を巡り、村井嘉浩知事は16日、移転を断念し、現地存続に転換する方針を明らかにした。定例記者会見で「財政面に文化の視点を取り入れ、最終判断した」と説明。現施設を増築せず、長寿命化の改修を柱に具体的な計画を詰める。

 日本を代表する建築家の故前川国男氏が設計した建物の価値に配慮。近隣に市博物館や東北大、仙台城跡などが点在する文教地区に残すことで、調和が取れた文化的価値の高い街並みを維持できると見込んだ。
 費用面では、整備後30年間の総事業費を比較検討した。国の有利な起債を活用した上での移転新築が費用を最も抑えられるが、現施設の譲渡や撤去が条件のため、現実的ではないと判断。増築せず現施設の維持が最も適切と結論付けた。
 青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)、宮城野区のみやぎNPOプラザは当初の計画通り、仙台医療センター跡地に移転集約する考え。本年度内に基本構想をまとめる。
 老朽化した県美術館について、県教委は2018年3月、現地での増改築方針を策定。県有施設の再編構想を議論する中で再び俎上(そじょう)に載り、県の有識者懇話会は19年11月、県民会館とともに移転、集約する案を公表した。
 芸術関係者や市民団体からは、移転反対の声が続出した。県は比較検討の選択肢として(1)現地での増改築(2)宮城野区への移転新築(3)現施設を増築せずに改修のみ実施−の3案を検討していた。
 県美術館は1981年11月にオープン。90年には、同県大和町出身の彫刻家を冠した佐藤忠良記念館が棟続きとして開館した。


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2020年11月17日火曜日


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