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美術館の在り方に識者から注文 「建物を観光資源に」「県民の期待に応えて」「時代に合った機能を」

宮城県美術館

 宮城県美術館の移転反対を訴えてきた学識経験者からは、県の方針転換に歓迎と注文の声が相次いだ。
 東北大関係者でつくる「宮城県美術館の移転計画中止を要望する有志の会」発起人代表の野家啓一同大名誉教授は「市民、県民運動の大きなうねりが今回の結果につながった」と指摘。「故前川国男氏が設計した建物は文化遺産として観光資源になる。東北大図書館など周辺環境と一体化した施設活用策を考えてほしい」と注文する。
 「議論を通じて多くの人が県美術館の素晴らしさを再認識した。県民が深い思いを寄せてくれた」と話すのは有川幾夫前美術館長。
 2018年に県教委が策定した「美術館リニューアル基本方針」の検討会議メンバー。「現在の場所で約40年かけて利用者との関係を築いてきた。西洋の合理的思想と日本の風土が調和する」と施設を評価しつつ、「県も美術館職員も、県民の期待に応えられるよう努力してほしい」と要望した。
 県美術館佐藤忠良記念館の設計者で、元日本建築家協会会長の大宇根弘司氏も決定を歓迎する。「手の施しようがない老朽化はない。手入れをすれば、50年、100年と寿命は長くなる」と力説する。
 前川氏は建築の師。「機能的にも当時の最先端の考えを反映させた。その価値は失われていない」と強調し、「時代により変わる部分もある。子どもが親しめる工夫や、大型作品の展示を可能にするなど、時代の要請に応えてほしい」と述べた。


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2020年11月17日火曜日


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