宮城のニュース

女川原発30キロ圏内の5市町 「避難計画実効性求める」 事前了解伝達

 東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、同県石巻市)の再稼働に必要な安全対策工事に県と立地市町が「事前了解」した18日、原発30キロ圏内の緊急防護措置区域(UPZ)の5市町は、改めて防災対策の徹底を求めた。事前了解権の範囲が立地自治体以外に広がらなかったことに、一部の首長からは落胆の声も上がった。
 5市町長は東北電との安全協定に基づき、17日までに住民の安全確保や積極的な情報公開を求める意見をそれぞれ県に提出。村井嘉浩知事が18日、事前了解の回答文書に添え、東北電の樋口康二郎社長に手渡した。
 南三陸町の佐藤仁町長は「住民の安全確保を最優先に、広域避難計画の実効性を高めるための協力を続けてほしい」と語った。東松島市の渥美巌市長は「避難先を県内陸部や山形県まで広げることと、市内の避難退域時検査場所の追加を求めるなどして市民の不安を払拭(ふっしょく)したい」と話した。
 安全協定は2015年4月に締結されたが、5市町には立地自治体のような事前了解権はなく、再稼働につながる設備変更時には県を通じて意見を述べられる。首長らは今月2日に協議の場を設けたが、再稼働の賛否などについて共同の意見書提出を見送った。
 事前了解権の範囲拡大を訴えてきた美里町の相沢清一町長は「立地自治体と県にだけ判断を任せるのは不十分だ」と指摘。「UPZ首長会議を多く開き、危機感を持って議論を重ねる必要があった」と悔やんだ。
 涌谷町の遠藤釈雄町長は「再稼働の賛否は明言しない」とした上で「町民は原発の安全性、避難計画の実効性に大きな不安を感じており、今後も発信し続けなければならない」と覚悟を口にした。


2020年11月19日木曜日


先頭に戻る