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女川原発再稼働「事前了解」伝達 東北電社長、安全性向上へ決意

樋口社長(右)に事前了解の回答文書を手渡す村井知事。左から亀山市長、須田町長=18日午前9時ごろ、県庁

 東北電力は18日、東日本大震災で被災した女川原発2号機(宮城県女川町、同県石巻市)の再稼働に向けて県と女川町、石巻市の「事前了解」を得た。大きなハードルを越えた樋口康二郎社長は「東京電力福島第1原発のような事故は二度と起こさない覚悟で、原発に対する信頼の再構築に取り組む」と強調した。
 樋口社長は同日午前、県庁で村井嘉浩知事らから事前了解に関する文書を受け取った後、仙台市青葉区の本店で記者会見に臨んだ。「再稼働に対してさまざまな意見がある中、非常に重い判断があったと受け止めている」と述べ、安全性向上に全力を尽くす考えを改めて示した。
 事前了解は東北電と3者の安全協定に基づくプロセス。既設設備の改造を伴う工事や施設の新増設に必要で、東北電が2013年12月に協議を申し入れた。
 東北電は現時点で安全対策工事を22年度に終える予定。事前了解に伴い、原子炉格納容器の破損を防ぐフィルター付きベント(排気)装置を既存の配管に接続したり、原子炉への注水を行う冷却系の代替設備を既存の系統につないだりする工事が可能となる。
 村井知事は、このタイミングで了解を決めた理由について「計画通りに工事を終えるためには(これ以上遅れれば)支障が出る」と東北電の再稼働工程に配慮したことを明言。その上で再稼働の前に改めて現地を視察する意向を示した。
 原子力規制委員会による新規制基準適合性審査は、基本設計に当たる「原子炉設置変更許可」を2月に合格。今後は詳細設計を示した「工事計画」、設備の運転管理を定めた「保安規定」の認可を目指す。
 須田善明女川町長は「厳しいまなざしと要求に応えてこそ信頼と安心の構築につながる」と強調。亀山紘石巻市長は「今後の安全対策もしっかり管理していく」とくぎを刺す。
 東北電にとって10年に及ぶ停止を経ての再稼働は、運転経験がない所員の増加など未知の課題もはらむ。樋口社長は「単なる再稼働ではなく、揺るぎない信念を持って『再出発』する」と決意を述べた。


2020年11月19日木曜日


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