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ナマハゲ黙る 男鹿の伝統行事、コロナ対策で見直し必至

「悪い子はいねがぁ」と雄たけびを上げ、子どもを抱くナマハゲ=昨年12月31日、男鹿市北浦安全寺

 秋田県男鹿市の大みそかの伝統行事ナマハゲの実施を巡り、各団体の対応が分かれている。全148町内会のうち89町内会が毎年実施しているが、新型コロナウイルス禍の今年は、雄たけびを上げながら各家庭を訪れる行事の見直しは避けられない。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産が「リスク」と「伝統」の間で揺れている。
 「中途半端な形になるならばやらない方がいい」
 男鹿市船川港船川の芦沢地区では10月下旬、今年のナマハゲ行事の中止を決めた。同地区では、約100世帯を20人前後の大人数で回る。県外から帰省した住民もナマハゲに加わるため、感染リスクが避けられないと判断した。
 芦沢振興会の武田泰明(やすのぶ)事務局長(41)は「対策を取り形を変えて実施したいという声もあったが、リスクをゼロにはできない。中止は寂しいが、芦沢のナマハゲは長く続いてきた。一度中止しても来年必ず再開できる」と説明する。
 一方、2018年にナマハゲ行事を復活させた本田(ほんでん)地区の「本田なまはげの会」は実施を決めた。木元義博代表(61)は「復活に費やしたエネルギーは相当なものだった。一度中止になったらまた続かなくなる」と危機感を抱く。
 町内65世帯に事前に調査票を配布し、希望しない家には訪問しない。ナマハゲ役は玄関先で「泣く子はいねが」の掛け声は言わず、うなり声にとどめる。木元代表は「対策を徹底し安全に実施したい」と話す。
 「地域のにぎわいのためやりたいとは思っているが、高齢者が多い地区でリスクも高い。判断に悩んでいる」と語るのは、同市の双六(すごろく)ナマハゲ保存会の三浦幹夫会長(71)。
 昨年までは国際教養大(秋田市)の留学生らを招いてナマハゲ役で参加してもらっていたが、今年は大学からの連絡はない。実施の可否は12月1日をめどに決める。
 三浦会長は「年末は毎年にぎやかな声が響いていたが、今年は難しそうだ。中止になればこんなに寂しい大みそかはない」と表情を曇らせた。


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2020年11月19日木曜日


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