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東電に慰謝料1.4億円命令 南相馬・古里喪失訴訟 「賠償不十分」原告控訴へ

原告らを前に判決を不服とする垂れ幕を掲げる弁護団=18日、いわき市の福島地裁いわき支部前

 東京電力福島第1原発事故で地域コミュニティーが失われたなどとして、福島県南相馬市原町区の住民144人が東電に総額約33億1730万円の慰謝料を求めた訴訟の判決で、福島地裁いわき支部は18日、132人に対し総額約1億4610万円の支払いを命じた。原告側は賠償水準が不十分などとして控訴する方針。
 名島亨卓裁判長は避難への慰謝料として月額10万円を支払うよう命じ、子どもや妊婦には1万〜40万円を上積みした。地域コミュニティーで継続、安定的な生活を送ることは法的に保護される利益と認定。古里が変容したことへの慰謝料として、一部を除く旧避難指示解除準備区域で150万円、旧緊急時避難準備区域で70万円を一律に認めた。
 2002年に国が公表した地震予測「長期評価」を巡っては、東電が津波対策を講じなければならない切迫状況があったとは認められないと指摘。注意義務違反があったとしても「慰謝料を増額するほどの悪質性はない」と判断した。
 15年9月に提訴。原告側は避難期間に応じ月35万円の慰謝料に加え、古里が喪失、変容したとして第1原発の20キロ圏内で住民1人当たり2000万円、20〜30キロ圏内で1000万円の慰謝料を求めた。
 弁護団の米倉勉弁護士は取材に「古里変容の被害が認められた一方、賠償水準が後退するなど不当な判決だ」と述べた。
 東電福島広報部は「判決を精査し、今後の対応を検討する」とコメントした。


2020年11月19日木曜日


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