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宮城県美術館現地存続 常任委員会で経過不透明と批判

 県美術館(仙台市青葉区)の移転新築案を撤回し、増築なしの現地改修に方針転換した県の姿勢を巡り、県議会の2常任委員会で20日、最終判断に至ったいきさつや将来の財政負担について説明責任を果たすよう求める発言が相次いだ。
 文教警察委では、複数の議員が政策決定プロセスの不透明さを指摘。県教委が現地での増築改修案を策定した1年8カ月後に移転新築案が突如浮上した経緯から、「県庁の内部で何が起きているのか」といぶかしむ声が上がった。
 伊東昭代教育長は、県教委として美術関係者の意見や必要なデータを知事部局に伝えており、正当な判断と強調。方針転換には「文化的価値が重視されたと受け止めた」とだけ答えた。
 総務企画委では、県が試算した整備後30年間の総事業費を巡る議論があった。増築なしの現地改修は国の起債制度を活用した場合の移転新築より約110億円膨らむ。議員は「全て一般財源。人口減社会において極めて重い」と指摘した。
 佐藤達哉震災復興・企画部長は「小さい数字ではない」としつつ、増築を伴わない今回の採用案は、県教委の増築改修案より70億円節約できたと説明。「比較できたことは良かった」と理解を求めた。
 「現施設の譲渡先が決まっていれば、移転はあり得たのか」との質問に、佐藤部長は「仮定の話。感想になるが、有力な選択肢になったと思う」と回答。「どんな結論が出たかは分からない」と述べた。
 県美術館の移転構想は19年11月、村井嘉浩知事が表明した。青葉区の東京エレクトロンホール宮城(県民会館)と共に、宮城野区の仙台医療センター跡地に集約する内容に対し、市民団体や芸術関係者から反対の声が噴出。今月16日、現地存続への方針転換が発表された。


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2020年11月21日土曜日


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