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矢口高雄さん死去 地元横手の人々「誇りに思う」「真摯に漫画に向き合った」

「釣りキチ三平」のレリーフの前で笑顔の矢口さん=2016年10月、秋田空港

 大ヒットした「釣りキチ三平」など自然と人の関わりを描いた漫画家の矢口高雄(やぐち・たかお、本名高橋高雄=たかはし・たかお)さんが20日午後5時46分、膵臓(すいぞう)がんのため東京都内の病院で死去した。81歳。横手市増田町出身。葬儀は近親者で行った。喪主は妻勝美(かつみ)さん。後日、しのぶ会を開く予定。
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 漫画家の矢口高雄さんの訃報が伝えられた25日、出身地の秋田県横手市ではゆかりのあった人たちが人柄をしのび、漫画界に残した功績をたたえた。
 「才能を持った同級生を誇りに思う。ご苦労さまでしたと言ってあげたい」。中学、高校で同級生だった同市の大類寿さん(81)は学生時代、ノートの隅に漫画を描いていた矢口さんの姿が今も印象に残る。
 故郷を題材にした作品が多かった矢口さん。大類さんは資料を集めて送り、地元から創作活動を支えた。「漫画界をけん引するまでになった」と目を細めた。
 30年来の付き合いという元東北高漫画部顧問の山下秀秋さん(68)=湯沢市出身=は、矢口さんに請われて卒業生4人をアシスタントとして紹介した。「育った秋田の環境が自然と人間のありようという作品世界をつくった。もう一度ペンを持たせたかった」と惜しんだ。
 矢口さんが名誉館長を務めた横手市の増田まんが美術館は1995年の開館前、名称を「矢口高雄記念館」とする案があった。矢口さんは「日本の漫画は文化として必ず世界に認められる」と言い、自身の名を冠することを断ったという。
 大石卓館長(50)は20日、出張で東京滞在中、矢口さんの娘から連絡を受け、病院で最期をみとった。「実直で真摯(しんし)に漫画に向き合った方。先生には感謝しかない。天国でゆっくり休んでほしい」とねぎらった。
 同館では来年1月11日まで矢口さんの画業50周年を記念した企画展が開かれている。大石館長は「矢口先生も『展示を見たい』と言っていたが、体調が悪くかなわなかった。先生の作品の素晴らしさを多くの人に知ってほしい」と語った。


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2020年11月26日木曜日


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