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渡し舟や釣り体験、自然観察会… 仙台の街歩きイベント「新浜フットパス」が好評

子どもたちに「松葉さらい」について説明する新浜の住民

 東日本大震災の津波で被災した仙台市宮城野区岡田地区で行われている街歩きイベント「新浜フットパス」が好評だ。震災復興の歩みに加え、かつての浜辺の暮らしや豊かな自然への理解を深められるのが魅力という。

 フットパスは毎年4〜6回、地元の新浜町内会が企画。復元した木造和船で貞山運河を渡る「渡し舟」、釣り体験、ビオトープでの自然観察会など毎回内容を変えて実施している。
 新浜地区は震災前に約150あった世帯数が、約70に半減。地域の再生に向け、町内会が3年前にイベントを始めた。今年は新型コロナウイルス感染症の影響で6、7月は開催を見送った。8月以降は毎月実施し、毎回40〜50人が参加している。
 今年4回目の開催となった11月22日は、沿岸部の集落で行われていた「松葉さらい」がテーマ。集落にプロパンガスが普及する半世紀前まで、松葉は燃料として煮炊きなどに使われていたという。
 町内会の住民が熊手で集め、地元で「マルキ」と呼ばれる俵状にまとめる作業を実演し、子どもたちも挑戦した。松葉を使って火を起こし、焼き芋を食べた。
 七郷小4年の長谷川弥夢(ひろむ)君(10)は「熊手で松葉を固めるのが面白かった。大変だけど、みんなで一緒に作業していたと聞き、楽しそうだと思った」と感想を話した。
 東北学院大の菊池慶子教授(歴史学)は大学生とイベントに協力しながら、集落の歴史を研究している。「昔の海沿いの暮らしを学び、震災復興について考える場になっている」と意義を話す。
 町内会は来年以降もイベントを開催する方針。町内会の遠藤芳広会長(69)は「学生と一緒に取り組み、活気があるイベントになっている。今後も新浜の歴史を発信していきたい」と意気込む。


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2020年12月04日金曜日


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