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議員名公表 足並みそろわず 宮城県議会集団感染

 新型コロナウイルスに感染した議員の氏名公表を巡り、宮城県議会の会派で足並みがそろわない。公人の立場や感染防止の観点から「公表は当然」として独自の公表ルールを定めた会派がある一方、感染者らに対する差別への懸念も根強い。10日の会派会長懇話会で、議会全体の方針を決める予定だが、曲折も予想される。

 各会派の考え方は表の通り。村井嘉浩知事を支える与党3会派は、現時点で態度を保留する。
 11月17日の酒席をきっかけに計10人が感染し、クラスター(感染者集団)が発生した最大会派「自民党・県民会議」。「個人が判断すればいい。議会としてルールは必要ない」(ベテラン)「議員は不特定多数の人と会う。感染拡大を防ぐため名前は出すべきだ」(若手)などと、会派内の見解には温度差がある。
 村上智行会長は「感染者本人や家族への誹謗(ひぼう)中傷も考慮する必要がある」と慎重な姿勢を崩さない。
 「議員だけの問題ではない。周囲の意見を聴き、判断したい」と言葉を選ぶのは、公明党県議団の伊藤和博会長。21世紀クラブの吉川寛康氏は「感染者への差別もあり、白黒はっきりできず難しい」と話す。
 村井知事と距離を置く会派は公表に前向きだ。
 第2会派「みやぎ県民の声」は、自民会派のクラスター発生を受け、所属議員が感染した場合の氏名公表を申し合わせた。太田稔郎幹事長は「公人としての立場を考えれば自然な対応」と説明する。
 緑風会の高橋啓氏は「公表基準が抑止力になる」と期待する。
 県議会は9月の会派会長懇話会で一度議論したが、家族らへの配慮を理由に一部から反対の声が上がり、たなざらしにされた。
 氏名公表の方針を9月に決めた共産党県議団の三浦一敏団長は「仙台市議会が公表するのに、県議会がしないのはどうなのか」と指摘。社民党県議団の岸田清実会長も「政治家は社会に及ぼす影響が大きい。公表は当然」と強調した。
 「是非を検討中」とする無所属の会の菅間進会長は、新基準を作った場合、既に感染した議員に適用するかを検討する必要性に言及。「県民の声を真摯(しんし)に受け止め、(16日までの)今定例会中に答えを出さなければならない」と述べた。


2020年12月05日土曜日


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