福島第2原発廃炉へ/核燃料の最終的行き先示せ。
この記事は2019年08月26日配信。
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 東京電力は7月31日の取締役会で、福島第2原発(福島県楢葉町、富岡町)の全4基の廃炉を正式決定した。東日本大震災で事故を起こした第1原発(大熊町、双葉町)の全6基の廃炉作業と並行して進めるため、東電は第2原発の廃炉が終わるまでには40年を超える期間が必要との見通しを示す。
 廃炉正式決定とともに東電は第2原発構内に、同原発の使用済み核燃料を一時的に保管する貯蔵施設を新設することも決めた。
 内堀雅雄福島県知事は全ての核燃料を県外に搬出することを前提に、廃炉と貯蔵施設新設の双方を受け入れた。しかし、核燃料の最終的な行き先は決まっていない。県や立地自治体が強く求めている核燃料の県外搬出を、国と東電はエネルギー政策上の重要課題として実現させなければならない。
 第2原発は、炉心溶融(メルトダウン)した第1原発の南約12キロに位置し、1982〜87年に4基が営業運転を順次開始した。震災の地震と津波で3号機を除く3基が原子炉の冷却機能を一時喪失したが復旧し、冷温停止。約1万体の核燃料がプールで保管されている。
 原発の廃炉作業は通常、原子炉建屋からの核燃料取り出しからスタートする。放射性物質による施設の汚染状況の調査や除染に続き、原子炉周辺設備、原子炉本体、建屋の順に解体・撤去。最終的には敷地を更地に戻す。
 幸いにもメルトダウンを免れた第2原発の廃炉は、通常の原発と同じ作業工程で進めることができる。
 だが全国の原発から核燃料を受け入れる日本原燃の再処理工場(青森県六ケ所村)は完成延期を繰り返し、各原発が構内保管を余儀なくされる状態が続く。再処理によって生じる高レベル放射性廃棄物の最終処分地も決まらず、核燃料サイクル政策が「トイレなきマンション」と指摘されて久しい。
 東電は第2原発構内に新設する貯蔵施設で、核燃料を金属容器(キャスク)に収めて空冷する「乾式貯蔵」を採用する方針を示している。乾式貯蔵は水を循環させて冷やすプールに比べ、安全性が高いとされる。
 内堀知事も「核燃料が当分の間、一時保管されるのはやむを得ない」と認めるが、核燃料サイクル政策が事実上の破綻状態にある中、立地自治体は貯蔵施設が構内保管の長期化につながるのではないかと懸念する。国や電力各社は核燃料の最終的な行き先についてもっと議論を深め、地元に広がる不安の払拭(ふっしょく)に努めるべきだ。
 第1原発事故前に稼働していた国内の原発54基は、第2原発も含めこれまでに21基の廃炉が決まっている。核燃料の保管場所確保は、これら廃炉にされる原発に共通する課題でもある。
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