Bar酔粋駅近

2018.04.26号掲載

酔粋駅近

前職の広告制作マン時代に何気なく始めた趣味のそば打ちが高じて開業。オープンを間際に控えた2011年3月に東日本大震災が起こり、「飲食店としてここでやるからには、東北の食材を中心に扱おうと思いを新たにしました」(山形さん)


心地よく いつの間にやら 長っ尻

[地下鉄南北線 勾当台公園駅]
手打ち蕎麦(そば) 山がた

今日はそば店でお酒を飲もうと、いつもの相方と目当ての店に向かった。目指すは仙台市地下鉄勾当台公園駅の南4出入口から3分ほど、大きな日よけのれんが掛かる「手打ち蕎麦山がた」だ。

店名からお隣のそば王国・山形県の太めの田舎そばを想像するが、こちらは細めの江戸前そば。「ほとんどの人に山形県とのつながりを聞かれますが、名字なんです」と笑顔で話すのは店主の山形俊介さん(58)。東京出身で、長い間転勤の多いサラリーマン生活を送っていたが、家族との落ち着いた時間を過ごしたいと8年前に脱サラ。趣味だったそば打ちの技を磨き、2011年4月に店を開いた。

早速、日本酒で乾杯。宮城の地酒を中心に辛口でそろえている。つまみは西京味噌をしゃもじに乗せて香ばしくあぶった「焼き味噌」。クルミが入った甘めの味噌をちょいちょいすくってなめながら、日本酒をちびちび。これが楽しい。さきイカの天ぷらやふぐ子もお酒が進む。さすが仕事で全国を回り、食も楽しんできた山形さんならではの料理が並ぶ。実は山菜の天ぷらが食べたかったのだが、残念ながら本日入荷はなし。代わりにマイタケの天ぷらでもう一杯。そば屋の長っ尻は粋じゃないそうだが、なかなかそばにたどり着かない。

「居酒屋に比べて品数は少ないけど、料理のクオリティーが高くて好きですね」とは男性2人客。「おいしくてちょっと飲みすぎちゃった」とご満悦の様子だ。「一つ一つにこだわりを感じる。手を抜かない姿勢は昔と変わらない」と感心して話す男性は、この日東京から訪れた山形さんの元部下。互いに独立し、何十年ぶりかの再会だそう。

そんな話に耳を傾けながら、ゆるりと時間が過ぎていく。締め(というか真打ち)のざるそばは、山形の「出羽かおり」を使ったのど越しの良い二八そば。本枯節の効いたつゆできりりといただき、しゃきっとした気分で店を出た。

文/関口 幸希子
写真/佐藤 英

メニューから

焼き海苔(のり) 540円

江戸前そばとともに楽しむアテといえば焼き海苔。宮城県産海苔をわさびや醬油にちょっとつけていただく。箱の中に小さな炭が入っていて温めることで海苔の風味が増す。この日は他に、焼き味噌、板わさ、ふぐ子、さきイカの天ぷら、マイタケの天ぷら、ざるそばなど。飲み物は日本酒。会計は3人で8640円。

手打ち蕎麦(そば) 山がた

  • 青葉区本町2-17‐3 花泉ビル1階
    営/昼11:30~15:00(LO14:30)
      夜17:00~20:30(LO20:00)
    休/日曜、第3月曜(祝日は昼のみ営業)
    ℡022‐397-9578

仙台市地下鉄南北線 勾当台公園駅 最終電車
泉中央駅行 23:02(金曜は24:14)
富 沢 駅 行 23:56(金曜は24:08)

※価格は商品(1点)の総額 (本体価格+消費税)

女性ライター2人が、仙台市地下鉄沿線を中心に、駅近くのすてきなお店を紹介する連載「酔粋駅近」。
毎月1回掲載予定です。

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