Bar酔粋駅近

2018.10.11号掲載

酔粋駅近

日本酒は50種ほどがそろう。店は仙台市地下鉄南北線北四番丁駅南1出口から4分ほど、1階に美容室がある建物の2階にある


秋の薫り 山の恵みに舌鼓

[地下鉄南北線 北四番丁駅]
春木屋

うだる暑さに耐えていたのはついこの間の気がするが、今日はもう鍋を楽しみにしている。
いつもの相方と向かったのは、青葉区二日町にある「春木屋」。入る前から感じるディープさ(!?)は、大人のたまり場といった雰囲気だ。カウンターでまずは「萩の鶴 メガネ専用 特別純米生原酒」(萩野酒造)で乾杯。全員眼鏡をかけた蔵人が造ったこの時季話題のお酒で、お通しの煮物に合うと、相方と顔を合わせてにんまり、だ。
親方の小澤則昭さん(70)は、春は山菜、秋はキノコや渓流の川魚など、50年近く山に通う山の達人。本日のお薦めメニューでは、大自然から直送の素材が楽しめる。天然キノコは種類豊富なので「どれをどう食べたらおいしいか」と話していると「それは山が教えてくれるんだよ」と決め顔の小澤さん。料理以上に冗談を繰り出すので油断大敵だが、ちょっと心に響く言葉だった。
店は、脱サラして前のオーナーから店を引き継いだ店主の渡辺和寛さん(45)、小澤さんと料理を担当する、お母さん的存在の熊谷和子さん(64)の3人で切り盛りしており、気の置けない温かい雰囲気は、1人で来ても隣の人と自然に会話が弾む。
「昨日ここで会ったばかり」という女性2人客。1人は最初、通りから見上げる2階の窓越しに並ぶ酒瓶につられて入ったというからつわもの…いやいい店を見つける勘がいいのだろう。もう1人はイワナの塩焼きを食べた後に、「骨をじっくりから揚げに」と注文。そんなやり取りができる「通っぷり」がうらやましい。
県北の秘密の場所から採ってきたばかりの「アミタケのおろし」がおいしくて、酒が進む。たまに「これ食べてみて」と味見させてもらえる山の恵みの料理にまたお酒が…。「それがこっちの作戦よ~」と小澤さん。そんな罠(わな)なら望むところなのだ。

文/関口 幸希子
写真/佐藤 英

メニューから

きのこ鍋(1人前)1200円

この日はアミタケ、ヒラタケ、ギンタケ、オシロイシメジ、ホテイシメジが主役。醬油味ベースの汁にキノコのうま味が溶け合い、締めにうどんかおじやを選べる。この他に、ニジマス刺身、油淋鶏(ユーリンチー)、アミタケおろしなどを頼み、飲み物は日本酒、ノンアルコールビール。会計は3人で1万1000円。

春木屋

  • 青葉区二日町8-33 2階
    営/17:30~24:00(土・日曜は18:00から)
    休/不定休
    ℡022‐399-9680
    ※カードは使用不可

地下鉄南北線 北四番丁駅
泉中央行 24:04(金曜は24:16)
富 沢 行 23:54(金曜は24:06)

※価格は商品(1点)の総額 (本体価格+消費税)

女性ライター2人が、仙台市地下鉄沿線を中心に、駅近くのすてきなお店を紹介する連載「酔粋駅近」。
毎月1回掲載予定です。

酔粋駅近