Bar酔粋駅近

2019.01.31号掲載

酔粋駅近

休みの日には、宮城県外のおでんの名店や居酒屋に出掛けていくこともあるほど研究熱心な斉藤さん。取材日の前日は福岡で居酒屋を巡っていた。「一日一日、進歩したい」と話す

うまさ アチチッと染みる

[地下鉄南北線 勾当台公園駅]
おでん・お酒 さいとう

冷え込むこの時季、恋しくなるのがおでん。湯気の上がる一皿を求めて街へ繰り出した。目指す店は「おでん・お酒 さいとう」。仙台市地下鉄南北線勾当台公園駅から国分町方面へ徒歩3分。立て看板の「おでん」の文字に導かれ地下への階段を降りた。
相方と2人でおでん鍋の真ん前のカウンター席に陣取る。店内にほんのり漂うだしの香り。腹の虫がグーグーと催促をする。早速おでん盛り合わせを注文し、豊富な日本酒メニューから秋田の地酒、角右衛門(木村酒造)を選んだ。店主の斉藤勇人さん(35)が見つくろってくれたおでんを受け取り、箸を伸ばす。だしをたっぷり含んだ大根を頬張り、アチチッとなった口に冷酒をキュッ。大根がほろほろ崩れ、だし、日本酒と混ざり合う。ホーッと思わずため息が出た。
斉藤さんは、以前100席規模の居酒屋を7年間営んでいた。繁盛していたというその店を「やりたいことが見えてきた」と閉め、新たにおでん屋を始めたのは1年前。「1人でまわせる広さの店を探して」この場所に行きついた。最初は周りに反対されたそう。「でも妥協したくなかったんです、料理も接客も」。今は、具とだしの組み合わせに無限の可能性を感じ、おでんの奥深さを追求する日々。「シンプルこそが最高と思っている。けれどシンプルが一番難しい」。そこへ来店したのは以前の店からの常連という若い男性。「おでんはもちろんおいしいけれど、斉藤さんに会うのも大きな目的」と話すのを聞き「前の店では、ゆっくり話せないことも結構あったしね」と照れくさそうな笑顔を向けた。
オープンして1年がたった。「あの時思い切ってやって良かったと思います」と斉藤さんはきっぱり。ここでいい仕事をこつこつやっていきたい、と湯気の向こうでまた笑う。締めの1杯はおでんのだし割り。やさしいうま味が体に染み渡った。

文/佐藤 陽子
写真/菅野 利

メニューから

「おでん盛り合わせ」780円

かつお節、昆布、あごを組み合わせた品の良い味わいが斉藤さんのおでんだし。卵と大根が必ず入りその他は日替わりで見つくろう。盛り合わせ2セットに季節限定「牡蠣(かき)のおでん」、一品料理「胡麻鰤(ごまぶり)」などを食べ、日本酒を1人3杯ずつ(カメラマンは生ビール1杯)飲んで、8660円。お通しは付かない。

おでん・お酒 さいとう

  • 青葉区国分町2-7-7 あんでるせんビル地下1階
    営/火~土曜18 :00~翌2:00
      日曜、祝日18:00~24:00
    休/月曜
    ℡022-211-1512

地下鉄南北線 勾当台公園駅 最終電車
富 沢 行 23:56(金曜24:08)
泉中央行 24:02(金曜24:14)

※価格は商品(1点)の総額 (本体価格+消費税)

女性ライター2人が、仙台市地下鉄沿線を中心に、駅近くのすてきなお店を紹介する連載「酔粋駅近」。
毎月1回掲載予定です。

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