Bar酔粋駅近

2019.11.14号掲載

酔粋駅近

店内は木がふんだんに使われていて、明るくぬくもりのある雰囲気。カウンターも広めで「ゆったりと酒食を楽しんでほしい」という前嶋さんの思いが感じられる

上戸集う優しいクマさんの店

[地下鉄 仙台駅]
大石屋

日暮れの早いこの時季は、居酒屋の窓から漏れる明かりに酒心が誘われる。今回紹介するのは仙台駅東口から徒歩5分ほどの「大石屋」。温かな光でライトアップされたクマのイラストの大看板に吸い寄せられるようにして扉を開けた。
店に入ると中にもクマさん…いや失礼、店主の前嶋渡さん(36)が迎えてくれた。一昨年4月のオープン時「店名は記憶されなくてもクマの看板を覚えてもらえたら、とトレードマークにしました」。そう話す胸にもそっくりなクマのマスコット人形がぶら下がる。
ではさっそく本日の1杯め。約60種類そろうという日本酒から、栗原市の地酒で「萩の鶴 メガネ専用」(萩野酒造)。相方は新潟の「荷札酒」(加茂錦酒造)だ。前嶋さん自身も日本酒党で、宮城県内外の酒蔵を訪ね見学しているそうだ。「蔵元さんから聞いた思いをお客さんに伝えられるのは、この仕事の面白いところの一つ」と話す。つまみはヘルシーに「玉ねぎサラダ」。タマネギの山盛りスライスに温泉卵が隠れていて、たっぷりの刻みのりと一緒にまぶして食べる。実にうまい。パリパリ食感のチーズせんべいは、こくがあって日本酒にぴったり。あん肝ポン酢は言わずもがなだ。
カウンターでは日本酒好きのご夫婦が仲良く杯を交わしていた。仲間との忘年会の下見に来たという。お得な飲み放題であれこれお楽しみ中だったのは、こちらも日本酒好きの4人連れ。幹事の男性は「評判を聞いて初来店だったけど、ここにしてよかった」と満足気に話した。
外は土砂降り。最悪の天気にもかかわらず20時にはほぼ満席になった。次々入る注文に追われ額に玉の汗を光らせながら、こちらの質問に丁寧に言葉を選んで返してくれる前嶋さん。「電車が止まらないか心配です」とお客さんの帰り足まで心配している。クマさんだったら、落としたイヤリングを拾って追いかけてきてくれるタイプだなと、温かい気持ちになった。
文/佐藤 陽子 
写真/佐藤 英

メニューから

「とんぺい焼」(638円)

鉄板で焼く人気メニュー。材料は豚肉と卵のみとシンプルなだけに、トロトロ半熟の絶妙な火の通し加減がものを言う。ソースの香りが立ち上る熱々の一皿は、ビールにも日本酒にもハイボールにもぴったり。文中の料理の他、酒を3杯ずつ飲み、カメラマンがノンアルコールビールで8430円。

大石屋

  • 宮城野区名掛丁206-19 ウエストハウス
    営/17:00~23:30(料理LO22:30、ドリンクLO23:00)
    休/日曜
    ℡022-290-8939

地下鉄 仙台駅 最終電車
【南北線】
泉中央・富沢行き     23:59(金曜24:11)
【東西線】
八木山動物公園・荒井行き 23:59(金曜24:11)

※価格は商品(1点)の総額 (本体価格+消費税)

女性ライター2人が、仙台市地下鉄沿線を中心に、駅近くのすてきなお店を紹介する連載「酔粋駅近」。
毎月1回掲載予定です。

酔粋駅近