Bar酔粋駅近

2019.12.19号掲載

酔粋駅近

野口さんの愛犬クックくんも、奥さま・むつみさんと一緒に時折出勤する。クックくんの毛色に合わせた、スタッフおそろいのボーダーTシャツがおしゃれ。店は、仙台市地下鉄南北線長町一丁目駅北1出口から広瀬橋へ向かって2分ほど

街や人 愛して愛されて

[地下鉄長町一丁目駅]
中華とお酒 のぐち

ぐっと冷え込んだ日の夜。いつもの相方と待ち合わせたのは広瀬橋のたもとのビルにある中華バル「のぐち」だ。近ごろじわじわ変化している長町に、近所ということもあって足を向けることが増えた。同店は昨年秋にオープン。すっきりした雰囲気でカフェのようだが、調理場でジュワッと油のはじける音に一気に「中華」な食欲を刺激された。
まずはビールで乾杯。相方は紹興酒入りのハイボールだ。あてには中国の家庭料理「シャキシャキじゃがいも」や肉汁あふれる人気の餃子を。中華の定番に加え、旬を取り入れた創作料理が並ぶ黒板メニューもあり、量や味付けなど、お酒と一緒にゆっくり楽しめる工夫がされている。お酒の種類は、「料理に合う」と要望が多い日本酒が増えた。ベトナム人留学生のスタッフ、ニさんはラベルの難漢字を判別し、注ぎも上手で感心してしまった。お酒は飲めないが、日本酒は楽しいとニコニコしている。
「火の扱いが面白い。飽きないですね」と、中華料理の魅力を話すのは店主の野口孝太さん(42)。塩釜の実家が中華料理店で、調理場に立つ父の背中を見て育った。跡を継ごうと調理学校を出て、いくつかの店で経験を積んだ。数年前に越してきた長町になじみの店ができ、町や人が好きになって考えを変えた。自分の店を開き、地域に愛される店を目指したい。
「この辺りの店は毎晩(飲んで)巡回している」と週3で通う50代の男性常連客は、野口さんとは別の店の常連同士。店を開く際も応援してくれたそうだ。「女性一人でも落ち着ける」と話すご近所の女性客には、ボストンテリアのクックくんもすっかり懐いている様子。彼目当てのファンも多く、店の看板犬だ。
最後はポットの中で茶葉が花のように開く「工芸茶」でゆっくり過ごした。地域に根差すという意味を思う。令和元年も暮れる。よいお年を。
文/関口 幸希子
写真/貴田 則男

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「ぎょうざ」(4個440円)

ぱりっとした焼き目の香ばしさ、あふれ出る肉汁がたまらないと人気の一品。「店は継がなかったが、この味は伝えていきたい」と実家でも人気の味を受け継いだ。酢とラー油のたれでいただく。この日は他に春巻き、バンバンジー、ピータン、杏仁豆腐などを食べ、日本酒、ビール、ハイボール、工芸茶などを飲み、2人で6380円。

中華とお酒 のぐち

  • 太白区長町1-1-6 啓進ハイツ102
    営/18:00~24:00(LO23:00)
    休/火曜
      12月31日㈫~2020年1月2日㈭
    ℡022-209-2223

地下鉄南北線
長町一丁目駅 最終電車

泉中央行き 23:52(金曜24:04)
富沢行き  24:05(金曜24:17)

※価格は商品(1点)の総額 (本体価格+消費税)

女性ライター2人が、仙台市地下鉄沿線を中心に、駅近くのすてきなお店を紹介する連載「酔粋駅近」。
毎月1回掲載予定です。

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