Feature特集

2018.11.22号掲載

JR仙石線〈仙台↔︎石巻〉
開通90周年


JR仙石線が11月22日で仙台−石巻間の開通90周年を迎えた。部分開通当初から宮城電気鉄道(宮電)という私鉄で、戦時中に国有化された。宮城県内の他のJR線とは異なる進化を遂げたところが特徴だ。「みちのく鉄道応援団」代表幹事の佐藤茂さん(61)を迎え、編集部きっての〝鉄ちゃん〟こと(な)とHと共に仙石線の歴史談議に花を咲かせた。(H)


他とは違う進化遂げた仙石線

仙石線は宮城県内の他線に先駆け、部分開通の当初から電気鉄道だった。戦前に電化された首都圏の路線と同じ電化方式だが、1960年代に電化された県内の東北線や常磐線とは異なる。

佐藤さんは「子どもの頃の仙石線の印象は〝ボロい〟電車ですね」と苦笑しながら懐かしむ。「73系という車両ですが、工程や資材を最小限に抑え、数年持てばいいという戦時中の事情で造られただけに至る所が雑。製造がこれより古い車両も走っていましたが、そちらの方が立派だった」と振り返る。

首都圏の通勤電車として活躍した車両が仙石線に転用されたことは「利用者や沿線住民なら誰でも知っていたと思う。昔の車両はとても古めかしくて」と石巻市出身のHもうなずく。

時代の変遷とともに車両の色が変わった。「焦げ茶色のまま首都圏からやって来た73系が、やがてうぐいす色に。後に青色の103系という車両に変わっていきます」と佐藤さん。こうした塗装の変化は沿線の40代以上の人には懐かしい。

佐藤さんは「焦げ茶からうぐいす色に変わる途中の一時期、窓回りがクリーム色、その上と下がだいだい色という塗装もあった。塗り分けが労力やコストにつながり、大変だったようです」と教えてくれた。ローカル線をこよなく愛する(な)が「その頃の普通列車用のディーゼル車と同じ色合いですね」と応じる。

73系の後継となった103系は、70年代末から2000年代末まで走った。


近年の仙石線は、観光路線でもあることを意識した取り組みが見られる。ユニークなのが「仙石線マンガッタンライナー」の運行だ。県内の他線の電車が乗り入れできない独立路線(仙石東北ラインはハイブリッドディーゼル車)でもあり、一般には知られていないが、あおば通-東塩釜間で先進的な信号システムを導入。佐藤さんは「仙石線は貴重なテスト路線なのかもしれませんね」と話す。

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