Feature特集

2019.02.28号掲載

仙台牛を広めたい
次代を担う若者たち

宮城県が誇るブランド牛「仙台牛」をもっと多くの人に食べてもらおうと、PR活動や品質向上にまい進する若手の生産者グループがある。その名も「仙台牛レボリューションズ」。活動4年目の今、取り組みを通して得られた変化や今後の抱負を、中心メンバーの3人が語った。(巻)

品質向上を目指して


― まずは簡単な自己紹介をお願いします。

鈴木佑哉さん(以下・鈴木) 大崎市古川の鈴木です。40歳です。飼養頭数は120くらいで全部雌牛です。雌牛だけ肥育している農家の中では、頭数は多い方だと思います。祖父が畜産を始め、今は父と一緒に育てています。

菅生亮太さん(以下・菅生) 川崎町の菅生と申します。29歳です。肥育の飼養頭数は200くらいです。繁殖も少しやっていて、繁殖は親牛と子牛を合わせて20頭くらいです。

川村大樹さん(以下・川村) 川村大樹、38歳です。石巻市で「川村ファーム」を経営しています。うちは肥育専門で、私が3代目です。石巻市を中心に、仙南地区など県内数カ所で農場を営んでいます。

肉質は血統次第
ダイヤの原石探せ


― 川村さんは「全国肉用牛枝肉共励会」で連覇を達成しました。

鈴木 川村さんは去勢牛(雄牛)のスペシャリストなんですよ。品評会ではサシの入り方や枝肉の重量が評価の基準になるんですが、川村さんの牛は全部がすごい。しかも、2016年、17年と2連覇しましたからね。でも最終的な決め手は川村さんのかっこよさだと思うんですよ(笑)。

川村 ははは。いやいやいや。本当にね、皆さんのおかげです。仙台牛は雌牛、去勢牛どちらでも名乗れるんですが、松阪牛や米沢牛は雌牛だけ。

鈴木 雌牛は脂の質がいいんですよ。でも、サシが入りにくい。

川村 肥育のやり方は皆さんと一緒です。やっぱり血統によるんじゃないかな。

鈴木 仕入れる段階で違うんです。子牛を買おうと下見をしていると、「ダイヤの原石を探せよ」って、川村さんのお父さんに耳打ちされることもあるんですよ。

川村 ははは。

 

新しいことに挑戦
餌にも独自の工夫


菅生 私は繁殖を始めて6年目になります。もともとは肥育農家だったんですが、新しいことをやりたいなと思って、助成金などを利用して繁殖を始めました。血統も考えて種付けをしています。

分娩(ぶんべん)の時にいろいろなトラブルがあるので、繁殖農家の大変さも分かるようになりました。母乳を飲ませるのが嫌な牛もいて、そういう親牛を持つ子牛にミルクをあげることもあります。

川村 私、菅生さんの牛を買いましたよ。去年ね。

菅生 はい。

鈴木 うちは宮城県畜産試験場と仙台食肉市場と一緒に、体外受精の子牛を育てる取り組みもしていまして。

川村 へぇー。

鈴木 食肉市場でと畜された黒毛和種の雌牛の卵巣は本来、廃棄されるんですね。でも卵巣内には未受精卵が残っている。これを有効活用して体外受精させ、できた受精卵をホルスタイン種(乳牛)のおなかに入れるんです。だから、ホルスタイン種から黒毛和種が産まれるんですよ。最近は、その子牛を牧場に預けて5カ月まで育ててもらっています。肥育農家は本来、生後10カ月くらいの子牛を買って育てるんですけどね。

牛には独自にブレンドした餌と米も食べさせています。それも1回蒸したうるち米ですよ。脂の質が抜群に良くなるんです。仙台牛のおいしさの秘訣(ひけつ)は宮城特有の良質な米と稲わら、水なんです。

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