Feature特集

村田町の「蔵の町並み」。手前が「村田商人やましょう記念館」

2019.07.04号掲載

村田町で大人散歩

村田町といえば、紅花、そら豆、スポーツランドSUGO。そして、何といっても江戸期に栄えた紅花商人の「蔵の町」として知られる。今も往時の暮らしが息づく歴史の町は、しっとりした大人の散歩にふさわしい。村田町の新しい取り組みや見どころを紹介する。(せ)


案内役の髙橋祐美さん

歴史息づく町並み

どっしりした瓦屋根、なまこ壁の店蔵(たなぐら)。

風になびくのれんをひょいと上げて、着物姿の町娘が出てきそうな雰囲気だ。江戸時代の商人の町の面影を今にとどめる村田町の中心部。店蔵と表門が一対になった町並みの独特の景観は、2014年に国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定された。宮城県内初で、現在のところ唯一だ。

「江戸後期から、明治、大正までの建物の変遷が分かります。暮らしが続いてきた証しですね」と説明してくれたのは、第3セクター「まちづくり村田」の髙橋祐美さん。村田町出身で、町並みの案内役などを引き受ける。建物の特長など細かな見どころを教えてくれる案内が人気だ。ぶらり散策が大人の学び旅になる。

昨夏には、紅花仲買人として財をなした旧大沼家住宅が、国の重要文化財に指定された。現在、「村田商人やましょう記念館」として公開され、観光客の他、建築関係者からの注目も増えているそうだ。


町に眠る宝を活用


町では、これまでも空き蔵を活用して陶器市や雛巡りなどイベントを開催してきたが、「歴史ある蔵をもっと身近に」と新たな取り組みが始まっている。

その一つが昨春、空き蔵にオープンした「糀(こうじ)ダイニング藍」。地域で取れるイチゴやイチジクなど果物入りの甘酒や、酒かす入りのカレーなど発酵食がテーマ。「乾坤一」で知られる大沼酒蔵店をはじめ、佐藤麹(こうじ)店や桜中味噌店、「グリーンパール納豆」の大永商店など「発酵文化」が息づく町としてもPRしていく。

そしてもう一つ、「泊まれる武家屋敷」として1月オープンした「一棟貸しのおやど 村田町武家屋敷」だ。町指定文化財の旧田山家が宿泊施設に生まれ変わった。伊達政宗の七男・宗高の村田城(館)の城下に残る武家屋敷はここのみで、これまで非公開だった。ホテルではなく、一棟貸しの素泊まり。キッチンがあるので道の駅などで新鮮な食材を買って自炊もできる。

「別荘のようにゆっくりと村田を楽しむ人が増えればと思います」と話すのは、こうした取り組みを手掛けるまちづくり村田専務の千葉勝由さん。「この町には宝がまだまだ眠っている。町の人にとっても訪れる人にとっても楽しめるよう、紅花と同じく盛んだった藍の栽培や、六斎市などかつて町にあった魅力的なコト、モノを掘り起こしていきたい」と意欲的だ。

価格は商品(1点)の総額 (本体価格+消費税)

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