Feature特集

2019.09.26号掲載

山形県庄内地方
ものづくり 巡り旅

10月1日㈫にデスティネーションキャンペーン(DC)が始まる山形県庄内地方。古くから北前船による上方との交流が盛んで、山形県の中でも独特の文化を醸成させてきた。そんな庄内地方で、ものづくりの現場を訪ねて歩いた(あ)


昔から針仕事が好きだったという
小野寺さん
庄内刺し子のミニクッション
髪留め

藍色の木綿に細かく糸を刺し、規則的で緻密な模様を作り上げる「庄内刺し子」。青森県の「津軽こぎん刺し」「南部菱刺し」と並び日本三大刺し子に数えられる。出来上がる模様には五穀豊穣(ほうじょう)や商売繁盛などの祈りが込められていて、衣服の補強や当て布をする技法として発展した。

伝統に新風を吹き込む作家、「刺し勇」こと小野寺勇一さんを鶴岡市に訪ねた。

小野寺さんは十数年前に庄内刺し子を知り、本格的に習い始めたそう。のめり込むにつれ「魅力が若い世代に伝わっていない」と感じるようになった。そこで、「刺し子は年配女性が購入する高価なもの」という既成概念を突破しようと、誰もが気軽に手に取れるアイテムを作り始める。

ストラップ、ピンバッチ、髪飾り…。緻密な針目の集合体である庄内刺し子は、小さなスペースにも美しい世界観が表現されている。「古いのに新しくてかわいい」作品は、若者を中心にファンを増やしていった。「大切に飾るよりどんどん使ってほしい」と小野寺さん。「刺し子はもともと実用品。使ってこそ良さが生きるんです」

実は本業は会社員。店舗を持たず、東北各地のイベント出店を中心に活動する。ようかんの空き箱に刺しかけの布と針と糸を持ち歩き、会社の昼休みにもチクチク…。刺すうちにアイデアが湧き、スニーカーや皮製品にも刺す。イベントで出会った作家とコラボが実現することもあるという。

「小さな文化を次世代につなぎたい」と話す小野寺さん。「こぎん刺しや菱刺しの作り手と一緒に東北の刺し子文化を発信するのが夢」だそう。出店予定はブログでチェックを。一部商品は仙台パルコ2「東北スタンダードマーケット」やネット通販でも購入できる。



新潟県と山形県庄内地方では、10月1日㈫~12月31日㈫に「新潟県・庄内エリアデスティネーションキャンペーン」を開催する。江戸~明治に物流の主役を担った北前船がもたらした食文化を堪能できる、多彩なイベントが開催される。


在来作物を使ったメニュー
(イメージ)

国宝・羽黒山五重塔


庄内地方では、出羽三山に伝わる精進料理や、在来作物を使ったフレンチ・イタリアンなど、「おいしい食の都庄内」の豊かな食文化を満喫できる催しがいっぱいだ。各イベントの詳細はDC公式WEBサイトで確認を。

期間/10月1日㈫~12月31日㈫
https://mokkedano.net/
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