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健康の医学教室

身近な病気や症状について、東北大医学系教授らが最新情報を伝える

東北大大学院医学系研究科
内部障害学分野
  教授 上月 正博 さん

1981年東北大医学部卒。豪メルボルン大医㈻部研究員、東北大病院助手、講師を経て、2000年から現職。東北大病院リハビリテーション部長、創生応用医学研究センター先進統合腎臓科学教授を併任。「名医の身心ことばセラピー」など著書多数。

【テーマ】ダイエットと運動を続ける秘訣(ひけつ)

老化は筋力の衰えから
名言励みに運動続けよう

皆さんはペットボトルのふたを開けることができますか。開けられない人は筋力が低下しています。横断歩道を渡る途中で信号が点滅してしまう人も要注意です。体が要介護や要支援の手前にある危険な状態になっています。
私たちの筋力は20歳を100とすると、60歳では60に減少してしまいます。つまり1歳年を取るごとに平均1%ずつ筋力が衰えてしまいます。また、丸一日絶対安静にしていると2%も筋力が落ちるので、
1日で2歳老化することになります。

「開眼片脚立ち」お薦め

筋力の減少を予防するには、1日30分の中強度(息切れするかしないか程度の強さ)の運動を1週間に5日続けてください。1日15分、週3回歩くだけで、認知症の発症を34%低下させるともいわれています。どこでも気軽にできるのは開眼片脚立ちです。転倒しないように、机などつかまるものがある場所で、床に足が着かない程度に片脚を上げます。左右1分間ずつ、1日3セット行いましょう。片脚立ちは両脚立ちに比べて筋肉や骨への負荷が大きいので、1分の片脚立ちは約53分間の歩行と同じぐらいの効果があります。

有名人の人生観に学ぶ

リハビリテーション科で患者さんを診ていますが、歩行と食事療法で244kgの体重を119kgまで減らした人がいます。私をはじめスタッフに褒められてやる気が起きたそうです。毎日の努力を記録し、成果を見てもらうのも励みになると思います。
継続する大変さを日々実感していますので、時には変化球を投げる必要があると考え、「名医の身心ことばセラピー」という本を出版しました。私が医療現場で使っている東西の名言をまとめたものです。
その中のいくつかを紹介します。「小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道だ」。これは(米大リーグ)イチロー選手の言葉です。また、ビートたけしさんには、次のような名言があります。「人生、頑張っても結果につながらないことの方が多いが、ダイエットは頑張った分100%結果につながるんだから、こんなに面白いもんないだろ」。楽天イーグルスの監督を務めた故星野仙一さんの「迷ったら前へ。苦しかったら前に。つらかったら前に。後悔するのはその後、そのずっと後でいい」という言葉も、いかにも星野さんらしい言葉です。
多くの人に支持される人の人生観は素晴らしいと思います。東西の名言は、体と心を健やかに保ち、実り豊かな人生を送るための処方箋です。
(11月27日講演)