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健康の医学教室

身近な病気や症状について、東北大医学系教授らが最新情報を伝える

東北大大学院医学系研究科
難治性高血圧・内分泌代謝疾患
地域連携寄附講座
  特任教授 佐藤 文俊 さん

1987年東北大医学部卒。同大大学院医学系研究科修了。医学博士。ロンドン大ハマースミス病院代謝内科内分泌部門研究員、東北大腎・高血圧・内分泌科助手、助教、講師などを経て、2015年から現職。専門分野は副腎疾患、高血圧症、原発性アルドステロン症など。

【テーマ】続・予防という最高の生活習慣病治療 ~超高齢化社会を元気で生き抜くために~

塩分、糖質、飲酒 控えめに
筋肉鍛えて元気に長寿

最近では100歳を超える長寿の方は珍しくなくなりました。いつまでも元気で若々しく生き抜くには、生活習慣病の危険因子といわれる高血圧、糖尿病などを早期に治療することが大事です。

高血圧が認知症に影響

高血圧の一番の治療は予防です。「血圧が高め」と言われたら、まず食事を見直すことが大切です。特に塩分の取り過ぎに気を付けてください。高血圧を予防することは、脳卒中や心臓、血管の病気の予防になります。また腎臓が悪くなるのも防ぐことができます。透析の導入原因は、昔は慢性糸球体腎炎という腎臓病が多かったのですが、最近は糖尿病や高血圧による腎症が増えています。高血圧と腎臓の間には悪循環があり、血圧が上昇すると腎臓が悪くなり、腎臓が悪くなると血圧が上昇します。
高血圧は認知症に影響することも分かってきました。診察室での正常血圧(120/80mmHg未満)を1とすると、Ⅱ度高血圧(160~179/100~109mmHg)では脳卒中のリスクが8倍に高まります。今は効果的な血圧の薬もあります。高血圧を治療することは、重篤な病気の予防につながることを、きちんと理解してください。
糖尿病はインスリンの分泌が減って慢性的に血糖が高くなる病気です。インスリンは加齢とともに失われるホルモンです。私は患者さんに「いつまでもあると思うな、親とインスリン」と話しています。インスリンを大切にするため、血糖値の上昇を防ぐ食事を心掛けてください。
まず糖質を減らしましょう。ご飯などの炭水化物や甘いものは控えめにしてください。お酒もほどほどに。肉や魚、大豆などタンパク質はしっかり食べてください。タンパク質は筋肉を作るためにも大事です。そして野菜を加えると、私たちの体に欠かせない必須栄養素を摂取することができます。

筋力弱まると骨も老化

運動は生活習慣病の予防と同時に筋肉の衰えを防ぎます。無酸素運動(筋トレ、スクワットなど)は食前に短時間、有酸素運動(ウオーキング、水泳など)は食後が適しています。筋力は鍛えないと衰えますが、何歳から始めても鍛えることができます。筋力が弱まると骨の老化も始まります。骨粗しょう症を防ぐには、喫煙や過度な飲酒をやめ、食事ではリンを多く含むインスタント食品を控えてください。リンを過剰に摂取すると、骨の形成に必要なカルシウムの吸収が抑制されます。喫煙は骨だけでなく全身に悪影響を及ぼし、感染症以外の死因の1位になっています。
(11月21日講演)