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健康の医学教室

身近な病気や症状について、東北大医学系教授らが最新情報を伝える

東北大大学院医学系研究科
  講師 菊地 克子 さん

1989年東北大医学部卒。94年米国ペンシルバニアに留学し、皮膚の基礎研究を手掛ける。東北大病院皮膚科助手を経て2004年から現職。現在、皮膚科の医局長、外来医長を務める。美肌研究の第一人者で、日本皮膚科学会のガイドライン作成に携わる。

【テーマ】健康で美しい肌を保つ秘訣(ひけつ) ~保湿・紫外線対策で健康な皮膚に~

日頃の生活習慣が肌に出る
日々のケアで美肌をキープ

乾燥肌やしわ、しみは加齢現象の1つですが、その程度は日頃の生活習慣で大きく変わります。どのようにすればきれいな肌(皮膚)を保つことができるでしょうか。
皮膚は私たちの体を覆っている臓器で、表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっています。表皮は主に角化細胞で構成され、代謝により日々新しく生まれ変わっています。真皮の大部分を占めるのがコラーゲンやエラスチンなどの線維性成分で、肌の張りや弾力の元になっています。
皮膚は生命保持に不可欠な働きをしていますが、特に大事なのは生体を外界から守る障壁(バリアー)としての機能です。有害物質が体内に入るのを防ぐと同時に、体内から水分が失われないよう働きます。有害物質が入ってしまった時は免疫・炎症機能が働き、2段構えで生体を守ります。

保湿剤で潤いを補う

潤いのある肌とは、表皮の一番外側にある角層の水分の含有量が十分に保たれている状態で、天然のクリームである皮脂と、アミノ酸や尿素などの天然保湿因子が関係しています。年を取ると肌がかさついてきます。老人性乾皮症といわれる加齢に伴う現象で、腰や下肢など皮脂分泌が足りないところに目立ち、かゆみが出ます。ひどくなるとひび割れを生じ、アレルギー性物質などが侵入し湿疹ができやすくなります。
乾燥を防ぐにはクリームなど保湿剤で潤いを補います。入浴後にたっぷり塗ると効果的です。熱い湯の入浴など、乾燥を悪化させる生活習慣に気を付けてください。

光老化を防ぐ対策を

肌の老化は自然の老化に加え、慢性的な光老化が関与しています。紫外線を浴びるほど光老化が進み、しみや、深く折りたたまれたような深いしわが出てきます。光老化を防ぐには、日差しの強い時間の外出を控え、帽子や日傘、長袖の衣類で肌を覆ってください。顔や手など露出部は日焼け止め剤を塗るといった対策が必要です。
できてしまったしみやしわについては、美容皮膚科ではビタミンA誘導体の一種のトレチノインや美白剤を用いたり、レーザー施術を行ったりしており、ある程度の若返りは可能です。日本ではトレチノインは市販されていませんが、同様の効果が得られるレチノールが話題になっています。
肌に関してもう1つ注意したいのは、たばこです。喫煙者はしわができやすく、肌の色がくすんで見えます。禁煙とともに体全体のコンディションを良くすることも、美肌づくりには大事です。
(9月25日講演)