Sportsスポーツ

2018.12.13号掲載

VEGALTA SENDAI

ベガルタ仙台

スタジアムDJ大坂ともおが選手と対談 場外フリーキック

熱戦、激戦が続いた2018年のベガルタ仙台。「あのゴールにしびれた」「この選手の熱いプレーに心が震えた」。最も感動と興奮を与えてくれたMVPは誰ですか? チームの活躍を間近で見守った、おなじみの3人と振り返ります。

チームの象徴が必要

西村選手が急成長

守屋 今季を振り返っていかがでしょうか?
板垣 昨季より順位は上昇して、残留争いに巻き込まれることもなかった。全般的には良かったと思います。
ともお 昨季までの主力を欠き、開幕当時は正直不安があったけれど、最終的にはすごく良くなったのでは。
守屋 上位の勝ち点差が詰まっていて、より上を狙うチャンスがあったようにも感じます。
板垣 覚醒したのは西村拓真選手(CSKAモスクワ移籍)。夏までで2桁得点は素晴らしい。同レベルとまでは言いませんが、そのくらい活躍する選手がいてほしかった。
守屋 西村選手の成長は目を見張るものがあった。僕は椎橋慧也選手に注目していました。
ともお 11月10日の広島戦で見せた、ボランチとしての働きは良かった!
板垣 椎橋選手は、今季終盤に入ったころに「自分がチームを引っ張っていく」と明言して、あの言葉は心強かったですね。
ともお 3月末の長崎戦からリーグ戦とカップ戦が過密化し「地獄の15連戦」がありました。選手たちは、練習よりも試合の方が楽しいから連戦は調子がいいと言っていたけれど…。
守屋 取材する方は大変でしたね(笑)。
板垣 連戦中は選手のいろいろな組み合わせを試せたようです。そのおかげで若手の出番が増えました。
守屋 常田克人選手やジャーメイン良選手らがしっかりと結果を残しましたね。
板垣 成長を終盤にもう少し生かせたら…。伸びた若手のもう一押しがほしかった。
守屋 チームのレベルアップには若手の成長は不可欠です。
ともお 僕はチームリーダーの必要性を感じます。「ベガルタの星」のような選手が今季はいなかったのでは。
守屋 どの選手に期待していますか?
ともお 奥埜博亮選手。日本代表になる選手だと思っています。彼の成長は本当に重要。いつかチームの象徴になってほしいですね。
守屋 今のベガルタはおとなしい選手が多いですからね。
ともお みんな真面目。そんな雰囲気をがらっと変えてくれたのが関口訓充選手(4月加入)。
板垣 6季ぶりの仙台復帰で、使命感もきっとあったはずです。
守屋 永戸勝也選手や中野嘉大選手からポジションを奪うこともありましたね。

存在感光る梁選手


ともお 平岡康裕選手の成長にも驚いた。相手のシュートをぎりぎりで止めてピンチを救った場面が印象深い。ベテランでも若手と同様に成長できることを証明しているようで、勇気づけられました(笑)。
守屋 以前にも増して攻撃に参加するようになりましたね。
板垣 ルヴァン杯で湘南と対戦したあたりから、ただ駆け上がるのではなく、パス交換しながらの戦術を繰り返し練習していた。渡辺晋監督も平岡選手の吸収力の高さを評価していました。
守屋 梁勇基選手も出番こそ少ないけれど、存在感は抜群でした。洞察力やパスセンスの高さは次元が違った。
ともお 若手がすごい選手として挙げるのは梁選手が多いですね。

スタジアムDJ大坂ともおが選手と対談 場外フリーキック
来季の躍進 楽しみにスタジアムDJ大坂ともおが選手と対談 場外フリーキックホームのユアテックスタジアム仙台には今季も多くのサポーターが訪れ、熱い声援で選手を後押しした

MVPは三者三様
守屋 さて、いろいろ振り返ってきましたが、そろそろMVPを決めますか。
板垣 名前が挙がった選手も活躍していましたが、1年間継続して出場していた石原直樹選手にあげたいです。
守屋 ベガモのアンケート結果でも石原選手がMVPですね。
板垣 活躍しても途中で移籍したり離脱したりする選手が多い中、年間を通じて勝利に貢献していた石原選手は欠かせません。
守屋 僕は蜂須賀孝治選手です。チームの中心となりつつあり、得点も決めました。
ともお あ〜。蜂須賀選手も固いですよね。
守屋 ポジション取りがうまくなってクロスの精度も上がりました。最近は「仙台はサイド攻撃が強い」と聞くようになりました。それを印象づけているのは蜂須賀選手の存在が大きいと思います。
ともお 僕は関憲太郎選手にあげたいです。
守屋 GKでいうとシュミット・ダニエル選手が日本代表に選出されていますが。
ともお 関選手のすごいところは、試合に出る出ないを問わないモチベーションの高さです。枠が限られるGKとして「俺はいつでもいける」というオーラを発し続けられるのはすごい。本当のプロフェッショナルです。

チーム支えた主将

守屋 レディースのMVPは誰でしょう?
ともお チームを力強く引っ張ってくれた安本紗和子選手かな〜。
板垣 チームをまとめるのは大変だったと思います。
守屋 若手も増えましたしね。
ともお 監督交代で大変な時も明るく振る舞って頑張ってくれました。けが人が多く大変なシーズンを支えたのは安本選手の存在が大きかった。
守屋 トップチーム、レディースともに今季もたくさんの感動を与えてくれました。
板垣 来季はどの選手が活躍するのか楽しみですね。
ともお 来季に期待しながら、温かい声援を送り続けましょう。

(11月26日対談)



ちょっとハーフタイム 飯尾篤史

椎橋の新境地 後半戦に輝き

ピッチを幅広く使い、位置的優位や数的優位を生かしたポジショナルプレーを実践するベガルタにおける後半戦の新発見―。それは椎橋慧也かもしれない。
プロ2年目の昨季すでに9試合に出場したから、何を今さら、と思うかもしれないが、椎橋が後半戦で新境地を開拓したのは、確かだろう。
昨季も今季の前半戦も主戦場は3バックの左だったが、後半戦では中盤で起用され、新たな輝きを放ったのだ。
もともと椎橋はボール奪取力に定評があった。しかし、中盤の底を1人で守るアンカーを任されるようになり、パスワークとポジション取りにもさえを見せる。
鋭い縦パスはもちろん、相手を動かすシンプルな横パスもいい。
さらに、奪いに行くときとポジションを守るときのめりはりも利いていて、相手の縦パスを防ぐようなポジショニングも取れている。
最終ラインでも中盤でもプレーできるユーティリティー性とも相まって、そこにサッカーインテリジェンスの高さを感じずにはいられない。
「ボランチで勝負したいと思っています」
今年3月、U−21日本代表のパラグアイ遠征中に椎橋はそう語った。むろん、与えられたポジションでベストを尽くすことを誓いながら、自身の資質を冷静に見極めていたのかもしれない。
西村拓真をロシアに送り出した後半戦。苦戦が予想されたが、ベガルタの未来を再確認できる場になった。日本代表に選ばれたGKシュミット・ダニエルが独り立ちし、椎橋が台頭した。そして、天皇杯準決勝の山形戦ではジャーメイン良が先制点を含む全3ゴールに絡む出色の活躍を見せてくれた。
ベテランに支えられながら、生え抜きの選手たちがセンターラインのポジションを固める―。チームが正しい道を歩んでいる証しだろう。

いいお・あつし

『週刊サッカーダイジェスト』記者を経て2012年、フリーランスに転身。南アフリカW杯やブラジルW杯、リオ五輪などを現地で取材。サッカー専門誌やスポーツ総合誌、ウェブメディアなどに寄稿する。著書に『黄金の1年 一流Jリーガー19人が明かす分岐点』(ソル・メディア)、『残心 Jリーガー中村憲剛の挑戦と挫折の1700日』(講談社)がある。

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