TOPIC / 座談会
2026/09/29
~社会課題である人口減・
少子化問題を考える~
こどもの笑顔が咲き誇る都
みらいのまちづくり 仙台

《 参加者 》 左から
- 株式会社ZWEI 代表取締役社長/株式会社IBJ 執行役員 橋爪 みずほ 氏
- 株式会社エムティーアイ ルナルナ事業部長 那須 理紗 氏
- 仙台市長 郡 和子 氏
- 東北大学大学院経済学研究科 教授 𠮷田 浩 氏
- 仙台市民 / 仙台放送「あらあらかしこ」リポーター 村越 りさ さん
河北新報社は地域の皆さまに支えられ、2027年1月17日に創刊130周年を迎えます。これを機に今後より一層、地域の課題に向き合っていきます。その一つとして、人口減や少子化問題を考える「みらいのまちづくり 仙台」シリーズを展開します。
2025年(令和7年)の宮城県の合計特殊出生率(一人の女性が生涯に産むこどもの数)は1.00と前年同様過去最低となり、都道府県別では東京都の0.96に次いで低く、仙台市においても深刻な状況です。そこで、シリーズ第一弾として少子化の要因や背景にある課題、解決に向けた取り組みを考える座談会を開催。専門企業、学識者、行政、市民の代表が集まり、それぞれの立場で意見を交わしました。
論点
❶
出生率低下など
こどもを取り巻く 宮城・仙台の現状
仕事との両立、経済的不安
結婚へのハードル高まる
―宮城県の合計特殊出生率が前回同様過去最低、全国ワースト2位という状況を、どのように受け止めていますか。
郡 仙台市としても大変重く受け止めています。少子化の背景には、晩婚化や価値観の多様化、仕事と家庭の両立への課題、経済的な不安などさまざまな要因が考えられます。それぞれのライフステージに合わせた総合的な支援策が重要だと考えています。
𠮷田 日本では「結婚してこどもを産む」という形が大多数である中、「結婚」をする人が減っているという現状があります。国の調査によると女性が「結婚したい理由」は、「好きな人と一緒に生活がしたいから」が1位ではあるものの、年々割合が下がり「経済的な安定を得たいから」が増えています。経済的な安定が望めなければ結婚に踏み切りにくい、というのが実情かもしれません。
橋爪 婚姻数はこの20年で大幅に減少しました。一方で、国立社会保障・人口問題研究所の第16回出生動向基本調査では、18歳から34歳までの未婚者のうち、男女とも8割以上が「いずれ結婚するつもり」と回答しています。結婚を望む人は依然として多い一方で、その希望を実現しにくい状況があると思われます。働き方や住む場所、夫婦の役割分担など、結婚後の生活の形が多様化し、条件や気持ちだけで結婚を決断できなくなっています。婚活者の約8割が結婚後にお子さんを望んでいることや、直近の完結出生児数(※)が1.90というデータから、結婚を望む方が結婚しやすい環境を整えることが、少子化対策にもつながると考えています。
若年期から健康管理
妊活前に正しい知識を
――エムティーアイが提供する女性のための健康管理アプリ「ルナルナ」ですが、利用者の傾向や課題について伺います。
那須 女性向けヘルスケアサービス「ルナルナ」は、今年で26年目を迎えます。生理日管理を中心に初潮前から妊活、妊娠、出産、更年期、閉経後まで、女性のライフステージに常に寄り添うサービスを展開しています。現在宮城県との連携協定の中で、仙台市在住の方にも有料の「プレミアムコース」を約2年間無料で提供しています。
ルナルナの全国アンケートでは約7割の方が「健康を気にかけている」と回答する一方、「実際に健康管理をしている」と答える方は1割未満。意識をいかに行動に移せるかが課題です。健康管理を始めるタイミングは30代前半が多く、これは結婚や出産を意識する年代と重なります。「もっと早く取り組めばよかった」という声も届いています。若年期から妊娠や出産の正しい知識を学ぶ「プレコンセプションケア」が注目されていますが、人生の望みを自分の手で叶えるためにも大切なことだと思います。
―村越さんは、自身のこれからに向けて、共感できるお話はありましたか。
村越 これから出産や子育てを意識していく当事者の一人として、大変勉強になります。「少子化対策」と聞くと、保育料免除などこどもが生まれた後の支援をイメージしがちですが、実際はそれ以前の結婚や健康、働き方をどう支えるかも大事なのですね。私自身も、「こどもがほしい」という願いと仕事との兼ね合いに難しさを感じる一人ですし、同世代の友人との会話でも頻繁に話題に上がります。また妊娠・出産を望む際に健康面に課題がないかも、気にかかります。私もルナルナを活用していますが、このような使いやすいツールは自分の体を大切にするきっかけになると思います。
※完結出生児数:結婚後15~19年を経過した夫婦の平均出生こども数。夫婦の最終的な平均出生こども数とみなす。
論点❷
結婚、子育てを応援するために

