河北新報特集紙面2023

2023年11月27日 河北新報掲載 
震災伝承新聞被災地取材レポート①中学生記者が復興の現場へ

中学生記者が復興の現場へ

 将来の大災害に備える教訓の若き担い手である中学生たちが、宮城県内の被災地を取材し、その成果を「震災伝承新聞」として2024年2月に発行。宮城県内外の中学校や災害伝承施設へ配布する予定です。今年度で4回目を数えるこの取り組み。今回も3校が参加し、第一陣として塩竈市立第二中学校の6人が多賀城市を訪問しました。

現地で感じたことを
同世代に伝えるために

中学生記者が復興の現場へ

 取材に先立ち、河北新報社の記者経験者が取材のノウハウや東日本大震災における多賀城市の被害状況を説明するオリエンテーションを実施。

 9月23日、塩竈二中の6人はイオン多賀城店で宮城県多賀城高校災害科学科の8人と合流しました。防災教育の一環でフィールドワークを授業に取り入れている高校生たちのガイドで、JR多賀城駅まで約1.4キロの浸水域をたどる“まち歩き”がスタート。災害科学科の生徒が各所に設置した津波浸水高を示すサインを巡りました。JR多賀城駅前広場にゴール後は、多賀城市立図書館で“まち歩き”の振り返りと、高校生への取材を実施。防災の担い手として学んでいる高校生たちの思いにふれました。

多賀城市立図書館で高校生たちに取材
多賀城市立図書館で
高校生たちに取材

 次に東日本大震災では敷地に津波が押し寄せるなか救護活動を行なった「陸上自衛隊多賀城駐屯地」へ。食堂で部隊食の昼食後、東日本大震災における自衛隊の災害派遣活動を紹介するVTRを視聴。広報室長の佐藤文弘さんらに聞き取りを行い、非常時における避難の心得や周囲への声がけの大切さなどを学びました。

自衛隊の活動について耳を傾ける中学生
自衛隊の活動について
耳を傾ける中学生

 駐屯地を出発後、「多賀城市役所」では、八幡上二区町内会前会長の渡邊武さんと、多賀城市総務部危機管理課防災減災係主幹の米山美人さんに聞き取りを実施。渡邊さんは、津波で浸水した自宅写真を示し、中学生たちに想定を超える災害の恐ろしさを伝えました。米山さんは、多賀城市が推し進めてきた震災の記録のデジタルデータベース化や、さまざまな防災の取り組みについて説明。中学生たちは、未来の防災都市像にふれる貴重な機会となりました。

渡邊武さん(写真左)と米山美人さん
渡邊武さん(写真左)と
米山美人さん

現在、中学生記者たちが取材を振り返りながら、
2月発行予定の特集紙面の制作に奮闘中です!

現在、中学生記者たちが
取材を振り返りながら、
2月発行予定の特集紙面の
制作に奮闘中です!