vol.26
全国健康保険協会(協会けんぽ)宮城支部と公益社団法人宮城県トラック協会が連携し、トラックドライバーの健康づくりのプロジェクトを始動しました。また、登米村田製作所では、一般社団法人ヘルスマネジメントコネクト・健康経営研究所によるセミナーを継続的に実施するなど、いま企業では、健康経営を支援する専門機関のサポートを活用した、職場における健康づくりへの取り組みが活発化しています。
協会けんぽ宮城支部
×
宮城県トラック協会
協会けんぽ宮城支部と宮城県トラック協会は、トラックドライバーの健康づくりを「食」の面から支援する「ザ・ドラめし」プロジェクトを今年度から開始しました。トラックドライバーは不規則で栄養が偏った食事を取っていることが多いとされ、循環器系疾患や生活習慣病の保有リスクが高い傾向にあります。この問題の改善に向けたプロジェクトの一環として、県内の大学生が考案した健康的な食事の試食会が、仙台市内で開催されました。
当日は、仙台白百合女子大学、尚絅学院大学、仙台青葉学院短期大学の学生らが、トラックドライバー向けのメニューを調理し、プロジェクト関係者が試食。提供された定食3種類、丼物および麺類それぞれ2種類は、脂質や塩分などを抑え、栄養バランスに優れ、満足感も得られるよう工夫されていました。
試食会では、「塩分控えめでもしっかりとした味」「野菜やコンニャクなどでカロリーを抑えながらもボリューム感がある」などと好評。レシピを考案した学生らも、「ドライバーの皆さんにおいしく健康的な食事を取って、体も心も温まっていただきたい」と企画への思いを語りました。宮城県トラック協会女性部会の参加者は、「地域の方や学生などに、トラックドライバーのことを考えていただけるきっかけになった。このプロジェクトが定着してほしい」と期待を寄せています。
地元の食材を使ったヘルシーメニューなど、
参加者からは「どれもおいしい」と好評
学生らが考案したレシピに沿って調理し、
食材や味付けなどの特徴を説明しました
今後は、試食会の結果をもとに、メニューに改良を加えるなどの調整を経て、来年2月上旬に日本トラック協会が運営するトラックステーション(仙台市宮城野区)内の食堂で実際に提供される予定です。宮城県トラック協会業務部課長・髙島氏は「日本の物流を支えるドライバーに、栄養バランスのよい食事を提供する取り組みが広がってほしい」と語ります。協会けんぽ宮城支部は今回の事例のほか、業界や企業が抱える健康課題の解決に向け、サポートを行っていきます。
試食会には、宮城県トラック協会、
協会けんぽ宮城支部などの関係者が出席
ヘルスマネジメントコネクト
×
登米村田製作所
企業の健康経営を支援するヘルスマネジメントコネクト・健康経営研究所(以下HMC)は、総合電子部品メーカー村田製作所のグループ企業である「登米村田製作所」とスポンサー契約を締結し、今年3月に健康経営セミナーを行いました。
セミナーの第一部では「健康経営&お金の健康リテラシー向上」をテーマに、HMC理事の佐藤利幸氏が健康経営の意義および、マネープランやクレジットカードの賢い使い方などを解説しました。HMCでは、「体・心・お金」の三つの健康を重視。従業員の経済的なストレス軽減により、生産性向上が期待できるとして、マネーリテラシーの普及に力を入れています。
登米村田製作所の新入社員を対象とした「健康経営セミナー」の様子。その後のオンラインセミーでは、さらに多くの社員を対象に実施
第二部では、栄養や睡眠、自律神経の整え方などについて、代表理事で薬剤師の岡本直也氏が講義。疲労回復マネジメントや良い睡眠のためのカフェイン・アルコールとの付き合い方のほか、薬の知識を持つことの重要性を伝えました。今後、医療費の自己負担上限額が見直される可能性も踏まえ、自身の健康を管理し、軽度な病気や症状は、市販薬などで自己治療する「セルフメディケーション」について説明しました。セミナー内容に関するグループディスカッションも活発に行われ、「健康やお金の知識が高まった」と好評で、その後も二回にわたり、オンラインセミナーを実施。今後は新入社員向けのセミナーなども予定されています。
一般社団法人
ヘルスマネジメントコネクト
健康経営研究所
代表理事 岡本直也氏
2025年10月7日付 河北新報朝刊_特集紙面 Vol.26より転載
このページの内容は河北新報に掲載された特集紙面を一部再編集してご紹介しています。
河北新報掲載の特集紙面は以下よりダウンロードできます。